サイバー×アヤ


その日は、朝っぱらからピンクだった。
普段なら絶対に寄り付かないような場所、
簡単にいうとラヴァーズパーク(恋人たち向け公園)に立っているあたし。
普段着なれない服(ジュディ&マリィ仕立て)を着、とてもミスマッチであろう人物を待っている。
普段来慣れてないあたしは、一人ですぐに雰囲気に呑まれそうになっていた。
「あうぅ…ハートだらけだよぅ…サイバー早く来やがれぇ…」
あたしはさらにこの場にそぐわないような涙を浮かべそうになっていた。
そのとき。

タッタッタッ…

「ぉーぃ…アヤさーん…」
ダッダッダッ!!

「はぁっ…はぁっ…」

肩で息をしながらここにいるのは待ち合わせの相手、あのサイバー君だった。しかし…その格好はいつもとは違っていた。
いつも…ゴテゴテな色のヒーロールックなはずの上着が、なんとも普通というか…なんというか…とにかくかっこよかった。
「あ…なんか変かな…?…兄貴に見立てて貰ったけど…やっぱ俺にはあわないか…;;」
苦笑いしながらぽりぽりと頭をかく。その姿にすらみとれているあたしがいた。
「…アヤさん…?」
「…は!ぜ、全然おかしくないよ!むしろ新鮮でかっこ…いい…かも…」
焦りと驚きとドキドキで普段なら言わないようなことまでくちばしる。
あぅぅ…今のあたしって赤くなってたりするのかな…
あ…でもサイバー君も真っ赤だ…耳まで染まってる…ちょっと可愛いかも…

「アヤさんも…そ、その服…凄く可愛いです…いつものも好きだけど…」

……っバカサイバー!!
そんなこと…言われ慣れてないのにぃ〜!
真っ赤でうつむくふたり。
微妙な雰囲気が辺りを包む。
そして沈黙。


しばらくして。
「ねっ、ねえっ!歩こっか!」
「そ、そうっすね!」

…多分あたしたちはこの場ではすっごく変なふたりなんだろう。
でも、不思議とネガティブな感情は浮かばなかった。
…まさか…あたしサイバー君に…
これ以上考えると、顔から火が出そうなので、サイバー君の手を引っ張って噴水にむかった。


すたすた、てくてく。
ふたりでゆっくり歩いてゆく。
…よく考えたら…自然に手をつないでる!!
あ、あうあう…あ、あたしたちもカップルに…見られてる…!?
急に頭のなかを変な妄想が駆け巡った。
『アヤさん…いいだろ…?…こんなに…好きなんだ…』そう言うとサイバー君はあたしの肩口から手を忍び込ませ…


(アヤさん…なんか凄い真っ赤…肩を抱くぐらい…いいかな…いいよな…)

すっ…ぽむっ。

カァァァァ!!(あたしの沸騰する音)

「こ、こここ公衆の面前でにゃにするんだー!!」

ばっちーーん!!(あたしのビンタが炸裂する音)

「やっ…ぱ…俺じゃ…駄目なのか…」
左頬にピンクの手形をつけ、今にも倒れそうなサイバー君。
「あ、あわわわ!そっ、そんなつもりじゃっ!」
ふと気付く、周囲の視線の痛さ。
指を指す子供をたしなめる親なんて実際に見るのは初めてだよ…ハハ…
いたたまれなくなったあたしと動かないサイバー君はなんとかその場を逃げだした。
しかし…ひとつのことに集中すると回りが見えなくなるのはあたしの悪い癖…
気が付けばホテル街だったりする。
そしてそんな激しいタイミングで目を覚ますサイバー。
「こ、ここは…アヤさん…?」
…ヤバイのかも!!
こ、このまま連れこまれたりし、しちゃうのか…?

「…いや、そんなはずないよな…俺なんかと…」
「へ…?」
カチン。その言葉があたしの心を逆撫でした。

「…ねぇ…それはあたしがサイバーを好きじゃないって意味…?…好きでもない男の子とデートするような女だと思ってんの!?」
「いやっ!!そ…うじゃ…ないんだ…」
「ゆーじゅーふだん!!いくじなし!!」
感情が止まらない。
「あたしはねえ…あたしはねぇ!!」
「違うっ…ホントに…好きなんだ…」
肩を掴み、じっと目を見つめながら言うサイバー君。
うぅっ…真剣…なの…?
「…じゃあ…証拠を…見せてよ…」
やっと絞り出した言葉は涙混じりだった。
なんだよ…あたし…泣いてるのか…でもその涙をぬぐう間もなく、肩を抱かれ、連れられていった。
うるんだ目にみえた文字は『HOTEL天使のラッパ』…
あぁ…ついにこの時がくるんだ…でも…あたしは…好きだから…いいんだ…
こうなること…期待してたかも…


「大人二枚っ!!」
受付で真っ赤になりながら、恐らく間違ったことをいっているサイバー君。

案内されたのは二階、一番端の部屋。
入り口で立ち尽くす二人。
中を見回すと、机、テレビ、冷蔵庫…そしてベッド。
それの存在理由を考えてしまい、あたしたちは真っ赤で固まった。

しばらくして、荷物を置いてベッドに腰かける。

ドキドキドキドキ…
心音が伝わりそうな距離…
あたしは…
「シャ、シャワー浴びてくるっ!!」
逃げ出した。
「そ、ソウデスネっ!!」サイバー君もなんか変だ…

シャァァ…
いよいよ…なのかな…
サイバー君にもらわれるんだ…
こんな…ちっちゃな胸で…喜んでくれるかな…

がちゃっ、ばたん。

体にタオル一枚でベッドに向かう。と、
真っ赤でばたんきゅぅなサイバー。
…バカノンデリエロ純サイバー!!!!!
声を殺して思いきり叫んだ。
収まらない…熱いシャワーもあって熱る体…
ほっぺたにキス…収まらない…
口にディープなのを一発…ちょっと気が晴れた。

きゅーっきゅきゅっきゅーっ…
「ふんだっ!こんじょ無しサイバー!」



数時間後、目を覚ましたサイバーを待っていたのは、ホテル代と、すれちがう人の苦笑いだった。


「なぁ…デコにバカって書いてるのは新手のお洒落か?」
「なんだってぇ!うわっ本当だっ!!」
「サイバー…ホテル街で目撃情報が寄せられてるウパ」
「ぅっ;;」
「…ホテルで…バカ…サイバー…もしかして……早いのか…?」
「ちっ、違うんだぁ!!」「ダメダメウパね…」
「パルまで…」


「アヤ?なんかいいことあったの?」
「んっ!んなことないって!」
「ダッテにやにやしてるもん!」
「さてはサイバー君と…」「バッ、バカっ!違うもん!!」
「いやぁ熱い熱い…たまりませんなぁジュディさん?」
「あっはっは…いちいち分かりやすくて可愛い☆ねぇマリィさん?」



いつか…本当に二人に言う日が来るのかな…
サイバー君と…

もうちょっと大人になってからでいいや!!
あたしも、サイバー君も。
今は…真っ赤でピンクで青い春のままで…いたい。
なんてね!


おしまい。

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