タロー×マルルウ


 波の音。
 気がつくと頭の下に、物凄くやわらかくて、世にも甘美な感触があった。
「――うン?」
 閉じた瞼の上から、午をだいぶ過ぎて夕方間近な感じの日光が射している。それを時々、長い影が遮っている。
 足先から膝裏、腿の裏、腰、手、腕、と砂のさらさらした質感があるのに、頭近辺にはそれがない。首筋から耳にかけて、ちくちくするものと、あったかくて、すごく柔らかいもの。
 なんだろう。おかしいな、オレ、泳いでたと思ったんだけど、いつ上がったんだっけ。
「お目覚め?」
 首を動かして、瞬きする。直の日光をちょうど邪魔する形にその人はオレを覗き込んでいて、寝ぼけ眼のこちらに、笑いかけてきた。
 黄色のレイを頭に載せた、ダンサースタイルの、女の人。もちろん顔なじみ。
「……マルルウさん」
 黒い瞳が微笑んで、彼女の髪がオレの頬をなぶる。ふわんと潮の匂いがした。
「頭いたくない? だいじょうぶ?」
 言われるまでもなく、身じろぎすると同時に、鈍ーい痛みがぐわんぐわんと後頭部から抜けてくる。
「痛たたたた……」
 そうだ、確か一回休憩しようと上がってきて、木陰に寄っていったら、後ろからガツーンと頭ぶん殴られたんだっけ。
 でも誰だろう。サーファー仲間と喧嘩なんか最近してないしなあ。そもそも恨まれるような事もない、と思うんだけど。
「吐き気する? この指、何本に見える?」
 原因を回らない頭なりに考えていると、彼女がピースサインを作ったので、二本、と答える。安心したのか、はい、と、
「ノド渇いたでしょう、ほら」
 マルルウさんが出してきたのは半分に割ったヤシの実だ。人の頭より大きくて固い代物だけど、ナイフさえあれば案外簡単に割れて、中には甘いジュースが詰まっている。
 まして生粋の島育ち、このおねーさんなら朝飯前だ。そもそも休憩も持ってきたジュースが飲みたかったからで、体を起こしてから、オレはぐびぐびと喉を鳴らした。
「どこから持ってきたの、これ」
「どこからも。これ、タロー君の頭に落ちたのよ」
 うげ。道理で固かったわけだ。へばる前に星が見えちゃったのもコレのせいか。
 よくもまあ無事だったもんだと思うと、また背筋が寒くなってくる。無理無理果汁を飲み下して、オレは、改めて周囲を見回した。
 目の前にはヤシの実のもう片っぽ持って飲んでるマルルウさん。お隣カウアイで時々フラダンスも踊る、オレより五つ六つ年上のおねえさん。
 所は見慣れた見晴らしのいいハレイワのビーチ。
 午後から時化が来るとかで、何でかもうみんなサーファーも観光客も帰ってしまって(普通は絶好のチャンスなんだけど)、見渡す限り人はいない。
 で、時は昼。そろそろ洗濯物取り込んで晩飯の準備なんか早いところでは始めちゃう、そのくらいの頃合だ。
 これで夕焼けだったら下手な青春ドラマっぽかったよなあ、きっと。
「どうも、サンキュ。ごちそうさまでした」
「ふふ、タロー君が持ってきてくれたようなものでしょ」
 マルルウさんと知り合ったのには、実は深ーい訳が……ある訳ない。オレがサーフボードのためにバイトしてた店が、この人の実家だったという、至極単純なおハナシである。
 この人はまたきれいなおねーさんで、鼻の下伸ばす客なんか多かったんだけれど、店員の特権かはたまたオレが小僧で気安かったからか、倍率高い中で彼女と仲良くなれた。
 サーフィンしてる時に見に来てくれちゃったりなんかして、とっても優しい、いい人である。
「今日はお休み?」
「うん、まあ、そうかな。店は夜からだし……」

 ミルクたっぷりのチョコレートみたいに、柔らかで滑らかな褐色の肌。今は濡れていっそう艶を増している、ふわふわとウエーブのかかった焦げ茶のキレイな髪。
 体型はいわゆるトランジスタグラマーという奴。オレの肩にも届かないくらい背が低いのに、出るところはこれでもかと出て、引っ込むところはビョーキっぽくないくらいに引っ込んでる。
 おっぱいもお尻もむちむちと形良く張って、割れない程度に筋トレした腹はすっきり括れている。でも二の腕や膝を過ぎてからの腿の辺りは、女の人しか出ない曲線のラインのてんこ盛り。
 顔立ちは、あどけない感じだ。濡れたような瞳は短いけどびっしりした睫毛に囲まれて、星のように光る。鼻筋はそういう人種だからか、あまり通っていなくて、子供っぽい印象だ。
 真っ白い歯の並びは良くて、しかもいい事に、笑窪がある。だから彼女が目と口で三つの三日月を作ると、周囲の空気がぱっと華やぐ。
 でも大人びているから場が華やぐだけじゃなくて、なんだか安心するような穏やかな雰囲気も漂う。しっとりした人だ。
 とまあここまで長々と、国語の点数が悪いオレらしくなく色々言ったけど、つまりはマルルウさんは掛け値なしに美人なのだ。それも万人に認められた。
 何せこの人は島の外でも活躍してる、モデルさんなのだから。
「撮影が終わったのがおとといだったのね。後一週間は、オフかなあ」
「ホント久し振りだねー」
 しばし二人で笑いあった。そうするとこの人とは本当に久し振りなんだなあと実感が湧いてくる。
 南国そのもののルックスの持ち主だから、夏には引っ張りダコなのはもちろんだし、それ以外の季節もそれなりに忙しい。
 ガリガリの女の子が全盛の昨今、自分達が昔憧れたグラビアガールの雰囲気を色濃く残すマルルウさんは、親父層からも結構人気があるのだ。
 オレはサーフボードが手に入ったらバイトも止めてしまった。たまに会いたくなって向こうに行ったり、こっちに彼女が来たり、その時には一緒に浜辺で仲良くお喋りするのがいつものスタイルだ。
 話している内に夜になったら、オレが彼女を連絡船の乗り場まで送っていく、これ、お約束。
 今日も最近何があったとか、めちゃめちゃ受ける馬鹿話なんかで盛り上がるんだと思ってた。
 ――なのに。
「……ねえ、タロー君」
 ふふっとお喋りの途中で、マルルウさんはそれまでとはなんか違う笑い方をした。ただ優しいふわふわした笑顔が、なんか企んでるぞ、と言わんばかりの、目がきらきらっとしたものになった。
 定番土産のでっかい黒と灰色のしましまの猫がするみたいな、そんな奴だ。それでもこの人がすると十分見とれちゃう代物なんだけど。
「なーに、なんすか」
 あ、あれだな、と感づきはしたんだけど、それでもやっぱウヌボレちゃうのはヤなんで、一応訊いた。だってさ、あれだぜ?
「久しぶりに、しよっか?」
 ――もちろん、ソレの事だ。
 嫁入り前のおじょーさんには一大事な、こんな大切なことを、まるで何でもないっていう風に、この人は言っちゃうんである。
「……こんな明るいのに?」
「うん」
 相変らずにこにこしながら、そんなやめようよ、とこっちが言えない強さで、マルルウさんは頷く。
「近くに岩があるから、そこなら陰になるよ」
 そこまで言ってくれたので、じゃあ、とオレはあっさり頷いた。元々嫌じゃないしね。
 モデルなんで男との交際はちょっと、と表向きそうなってる彼女と、サーフィンなんかじゃ物足りないやりたい盛りのオレと、ちょうど需要と供給が合った形で、時々エッチもする。
 始まったのはバイトしてた時で、その時はマルルウさんがオレの事つまみ食い、って感じだったのが今も続いてる。
 二人でしばらく歩いていく(マルルウさんはなんと飲みかけのヤシの実も持ってきた。食い意地が張っているのだ)と本当にちょっとした岩場があった。
 そこからだとビーチ側からは見えず、道路からも船からも潮目と角度の関係で見られないと分かったので、お喋りの延長みたいな感じで、オレ達は始めた。

「今日も、しなくていいの?」
 スイムスーツの上を脱ぎながら、こればっかりは本気で心配だから訊くんだけれど、相変らず、マルルウさんはいいの、とのほほんと答えを返した。
「大丈夫だよ」
 と言われてもやっぱり安心できない。何でかって言うと、スキンの話だからだ。
 始まった時から彼女は着けなくてもいいよ、と言い、またオレが持ってない時にお誘いがかかる事の方が多いから、結構な回数生でやってしまってる。
 こっちでは生理用のピルは珍しいものではないし、水着の撮影もあるモデルさんなんだから飲むのが当たり前のようなものだけど、それでもオトコとしては着けなきゃなあ、と思うのだ。
 反面生でさせてくれるこの人はありがたいな、なんて失礼な事も考えてる。気持ちよさは段違いなんだな、これが。
 でも彼女のお腹が迫り出してきたら二人とも困るし、人生台無しだし、それに余計なビョーキなんか貰いたくもあげたくもないわけで。
「――心配性さんねえ」
 レイを外しながら、くすっと彼女は笑った。
「そりゃ気になるよ」
 大体ガリ痩せじゃないから、三ヶ月くらいまでなら気付かないよ。
「いい子」
 その笑顔がフクザツな、ちょっと苦いような顔になる。
 マルルウさんの過去に何があったのかは知らない。バイトを始める前かもしれないし、そしたらオレが分かるはずもない。
 彼女は大人なんだからあんまり気持ちの良くない恋愛くらいしているだろう、としかオレには分からない。
 そうしてそれをオレに訊かれるのを彼女は望まない。オレも、訊かないようにしている。
 オレがそれを聞いても共倒れになるだけだ。それよかこうして適度に傷を慰める方が、馬鹿正直に真正面から抱え込むよりずっと、オレには合っている。
 何せまだまだコドモなんで、してあげられる事も少ないのだ。
「うわっ」
 真っ赤なビキニ(ココナツのカップのブラ、ではなかった。そうそういつもいつも宣伝塔みたいな格好はしない)を脱いでるな、と思ったら、マルルウさんがやってくれた。
 彼女の裸の胸にぎゅっと頭を抱き寄せられたのだ。驚いたけど、すかさずしがみつく。そう、これがコドモの大人にしてあげられる事、第一弾。「甘える」。
 こういうのにオレが笑えるほど弱いってのは完璧見透かされているようで、恥ずかしいんだけど、でも、嬉しいなあ。
 言っとくけどオレにマザコンの気がある訳じゃない(はずだ)からね。だってこんな美人で、こんな胸でかくて(Dはある、絶対)、それでこんなに優しい相手にこういう事(いわゆる「ぱふぱふ」だ)されてころっと来ないのは、オレに言わせるなら男じゃない。
 母親がみんなこういう人だったら、男三十億全部がマザコンになるさ。間違いない。
「あー……」
 マジ気持ちいい。すんごい柔らかい。この人の赤ん坊は幸せだろうなあと半分本気で嫉妬する。女だったら許すけど、男だったら半殺しもんだ。こーんな気持ちいいもんを覚えていないんだから。
「しゃーわせー……」
 思わず声に出すと、苦笑が降って来る。細いんだけど丸くて可愛らしい指先が、こっちの髪を手櫛で梳いている。
「そんなに好きなの?」
「うん。マルルウさんのおっぱい最高」
 それにすごく、何ていうかちょっと失礼かもしれないけど、楽だ。同い年や年下の子と付き合うと、変に向こうはこっちに期待していて、何でもかんでもリードしないとこっちに腹を立ててくるのが多かったから。
 でも年上の人は、というかマルルウさんは、そういう所がない。肩に力入れなくていいし、またこの人のスマイルがすごく、こっちをリラックスさせてくれる。
 泳がされてるっていう感じがないわけじゃないけど、この人になら泳がされててもま、いっか、って気になるんだよなあ。やっぱ、おねーさんっていい。
 それが美人で優しくて巨乳で美乳なら、もうカンペキだ。

「もう」
 腹に二本の腕でこれでもかとしがみついてるもんで、彼女の力では剥がす事ができない。笑い含みの声、髪から耳に下りた細い指。
「胸しか、してくれないの?」
 自然、刺激するのに手は使えない。鼻先や頬っぺたやおでこや口であちこちを強弱つけて触って、延々繰り返していると、甘ーい声で抗議がある。
 これだよなあ。他の子だと不満そうにされてやる気が萎えるんだけど、怒ってるのに可愛くって、素直にゴメンゴメンなんて言えちゃうんだから。
「んーん、これからだよん」
 もっと触っていたかったけど我慢して、首筋やら耳やら髪やら、キスをして回る。くすぐったい、と言われるのを捕まえて、こちょこちょくすぐってやる。
 砂の中に押し倒す。いやいやをする頬にまたキスをして、唇にもう一度戻ると、たとえでも何でもなく、ヤシの果汁で甘い味がした。
 舌を絡ませてからふっと思いついて、行った先はワキの下。いや、雑誌でそういうところもいいんだって聞いたからさ。
「ひゃん!」
 一度大きく舐め上げてみると、困ったような声が上がった。そりゃ反応に困るだろうなあ、ワキの下なんだもんなあ。
「だめ、手ぇ上げて」
 むっと篭もった彼女の匂いがする。全身に薄く張った汗の、濃いところを探して溶かすようにツバをたっぷり出して、べろべろ舐める。
 両腕を上げて頭の上で拘束した。いつも余裕って感じの態度が一瞬崩れたのが嬉しくて、もっともっと余裕をなくしてやりたくなる。
「や、っ、タローく、きたないって……」
「やーだ」
 なめらかな皮膚の中に剃り残しを見つけて指摘すると、顔が赤くなった。かーわいいんだからもう。
 一通り舐め倒して、もう一回胸に戻る。
 持ち上げた腕に吊られて上の方に引っ張られているのに、大きなお椀を伏せたようなきれいな形のおっぱいはそのまま、全然潰れてなかった。
 これってちょっと感動もんだ。大きくてハリがあって、でもって感度もいいんだもんな。三拍子揃いすぎ。
「気持ちいい?」
 ちゅぱちゅぱ吸いながら訊いてみる。完璧幼児帰りだけど、まあいいや。
 周りの肌の色を一段濃くした乳首は尖ってて、産んだ事がないんだからそんなはずないのに、母乳まで出そうに(そしてそれがまた美味しそうに)見えたんだからしかたない。
「んー……」
 ああそっか、胸だけじゃヤなんだよね。
 りょーかい、とヘソに寄り道した。裸の背中にじりじりと弱い日を感じつつ、鼻先や舌をそこに埋めてここもまたいじめ倒す。
 さっきから変態的な所ばっかり攻めてるなあ。まあコレには訳があるんだ、と弁解しとく。
 通りいっぺんのフツーのだと他の相手と比べられそうだな、というのがあるから、素直に進まないんだ。経験不足だし、オレ日本人だからそんな大きくないし。
 マルルウさんは今は決まった人はいないけど、一夜ならどうかは分からない。気楽な相手ではあるけれど、見栄ってものはあるのである。
 後は仕入れた知識を試してみたい! って変な冒険気分か。カノジョ相手だとあんまり凝っても引かれるしさ。
 あんまりおんなじのばっかりだとマルルウさんからも飽きられそうだし。
「……」
 彼女はもじもじと立てた膝を擦り合わせ、そうすると緑の腰みのから生脚が覗いた。奥のビキニまでチラッと見えて、なんだかお得な気分。
 赤いのが腰みののちょうど正反対の色だから(何だっけ、補色?)、すごい目立つ。うわ、見てるよ、オレ見ちゃってるよ、みたいな。
 腹筋の心地よいぷにぷに感を楽しみながら、適度に浮いた腰骨に噛み付く。顎に衣装のちくちくが刺さって、ちょっと痛かった。

「ふわー、すごい……」
 辿りつけばそこはもう洪水だった。水着の吸水性抜群の生地が、暗ーくじっとりと湿ってる。つんつん突付くと指が、濡れる。『湿る』んじゃなくて、『濡れる』。
 このおねーさん、すっごい感じやすいんである。ここまで性的に天から二物も三物も与えられちゃってる人ってなかなかいないだろう。
 しかも名器。マジ名器。イソギンチャク、かつミミズ。
 まあイソギンチャクは鍛えてれば誰でもなれるらしいけど、それに加えて中がとろけそうに熱いから、いつでもこの人相手だと気持ちイイ。
 入れた時の事思い出してると、早くもこっちまでむくむくと元気になってきてしまった。
 まずいなー、もうちょっと楽しんでたいんだけど。
「タロー君、わたしも」
 ああ、ほら、言わんこっちゃない。
 でも……、……ま、いっか。
 時間あるし。……一回きりなんて事ないもんな、若いから。うん。よし。
 リクエストに答えて、オレは一度起きて、上下逆さまにマルルウさんの体の上に跨る。いわゆるシックスナイン、という奴だ。
 ホントは女の子が上の方が、喘いでる所とか相手の体とかが良く見えて好きなんだけど、今日は彼女が一回砂の上に寝てしまったので、こっちが上だ。
 濡れてぺとっと張り付いたスーツの上から、暖かい手が、こっちをさする。ぴったりした構造だしアンダー穿いてたから彼女では脱がせられなくて、結局もう一回立って、お互い自分のを脱ぐ羽目になった。
 再開すると凄かった。
 マルルウさんの唯一の欠点は、フェラがあんまり上手くない事だ。してくれてるなー、というのを目で見て実感して悦に入るから気持ちいいんであって、感触だけだと、そんなでもない。
 だから今日はばーっと攻めていきたかったんだけど、こっちの気落ちをカバーするみたいに、そこは凄いことになっていた。
 彼女、ヘアはわりと濃い目なんだけど、生えてるソコの色はそんなでもないんだ。きれいな桜貝みたいにほんの少しだけ開いてるけど、合わせ目はきっちり閉じてる。
 だけれど閉じるはずのそこが重みで開くくらいにどっぷり蜜があふれ出していて、でもってちゃんと整えられたヘアが濡れててらてら光ってた。
 ちらちら見える下のほうの入り口まで伝ってて、しかも周りはまだ明るい。
 十分日焼けできる日光に照らされて谷間に汗をかいたおっぱいや、きらきらと光ってこっちを見てる眼差しと合わせると、すっごいエロい眺めだった。そこらの写真集なんか目じゃない。
 とどめにむわっと体温に暖められた匂いが鼻に来て、オレは頭と言わずどこと言わずかーっと血が上ってしまった。
「マルルウさん、何、これ……すご過ぎ。もうビショビショになってる」
「タロー君も、おっきくなってるよ?」
「――恥ずかしーなあ」
 夜に咲く花のような笑いが、足の方から聞こえてくる。愚息の醜態にオレは頭が痛くなった。
 脂肪と筋肉の絶妙なバランスで触り心地のいい脚は、大きく広がって、自分から中心を曝け出している。その誘いにこっちが乗らない、わけがない。
 背中を丸め、またまた舌を使って、だけど今回は軽くつっついた。いきなり行かずに足の付け根の、皮膚の薄いところをちゅっちゅっとついばむ。
 そうやってじらしてるだけでますますトロトロに溶けてくるもんだから、他の子がいてもマルルウさんから離れられないんだよなあ。
「ふ、あ……!」
 もうめちゃめちゃ美味そうに見えたんで、じらすのを止めにして(こらえ性がないとか言わない)、オレはべろんと、閉じてんだか開いてんだか分かんないそこを舐め上げた。
 グミみたいにぷにぷにした内側とボッキしたクリトリスと、のんびりざらーりざらーりと舐めて、指を入れた。
 そのままコリコリしたところを攻めたり、中を舌で、ツバを塗りつけるようにいじくったりしていると、いつの間にか息子への刺激は止んでいた。
「あ、んんっ、……きゃっ、だめ、ん、はァン……ッ!」

 なんにも考えられなくなっちゃって、マルルウさんはかん高い声であえいでるばっかりだ。だけれどそのエロ声が、また、クルんである。
 見えてないけど自分のが、彼女のぷっくりした唇だとかほっぺだとかに引っかかって、先走りでその顔を汚しているかと思うと、すごい、満足感がある。
 次から次からあふれてくるマルルウさんのを舐め取っても、また次のが際限なくあふれ出てくる。とろとろとろとろ、流れてきてはオレが飲むより先に腿の下へ伝っていって、白い砂に吸われていく。
「あ……はぁ、ああ……」
 さっきまでは抵抗する力もあったけどそれもなくなって、モーローとしちゃってるみたいだ。声も時折思い出したように、ロレツの回ってないのが上がるだけ。
 そろそろかな、とオレは中のざらざらした所を、指を激しく往復させて突いた。三本は楽に飲み込んでるのに結構きつきつで、しかもうねってる。
 入れるのが待ちきれなくて早くも出しそうになりながらも、オレはクリにむしゃぶりつきつつ指を動かした。
「あ、あ、アァ……ッ!」
 あえぐ声の音程が外れる。胸がふるふると震えてる。脚なんかがくがくになっちゃってる。
 そうして次の瞬間、どばっと流れてきた愛液が顎と指をあったかく濡らした。ぷしゃっと勢いよく出たところを見ると、潮かもしれない。
 さすがフラガール、なんていうのはオヤジっぽいけどオレは思ってしまった。アレはカウアイじゃなくてオアフなんだけどね。
「――マルルウさん、大丈夫?」
 目をつむってはあ、はあ、と息を荒くしてる彼女に、たっぷり三十秒は経ってから、オレは声をかけた。浸ってる最中に声をかけるな、とはこの人の教えてくれたことである。
 今回も自分でイかせられたことが嬉しくて、なんだか感謝したいくらいのキモチだった。
「……ん……うん。だいじょうぶ……上手くなったね」
「ほんと?」
 褒められたのがちょっと嬉しい。マルルウさんは頭を撫でてくれる。
「わたしの方が先にいっちゃった……」
「うん、――あの、さあ。お願い、いい?」
「ん?」
 申し訳なさそうなところに、オレはダメ元で言ってみた。ちょっと照れくさいんで、視線をそらしながら、
「嫌じゃなきゃ、でいいんだけど……そのさ、おっぱいで、はさんで欲しいなー」
 なーんて、なんて付け加えちゃう辺り、ここがダメだよ日本人。いやいや、でもさっきあんなにいじり倒したのにまただもん。彼女が飽きちゃってたら嫌なんだよー。
「……もう」
 果たしてマルルウさんはダメな子を見る親のような目で笑った。あーやっぱり。
「タロー君はここが好きなのねえ……」
 ええもう何と言われようと大好きです。
「いいよ。いらっしゃい……」
 またがって、腰を進めると、おねーさんは苦笑しながらも谷間で挟んでくれた。やった!
 たゆんたゆん、ぷにぷに、ぽよぽよ。
「くーっ……」
 優しくむにむにと、左右から二つの山に囲まれ、上下に揺らされて、ムスコが見え隠れしている。生えてるみたいで、すんごいエロい。
 触った感じはナカや、フェラよりも気持ちよくはないんだけど、見た目にはかなりくる。でも肌は汗ばんで、あんまり濡れてないので摩擦が大きい。
「……あ」
「え?」
「ちょっと待って?」
 マルルウさんは近くに置いたヤシの実に手を伸ばした。おいおい飲むのかよと思ったが、違った。

「ひゃっ!?」
 この人は手で残った果汁をすくって、オレのや自分のおっぱいにぶっかけ、塗りこんだのだった。
 ココナツミルクじゃないから、ジュースは透明でさらさらしている。砂糖が作れるくらいだから水よか滑らかだが、ローションにするにはあんまりぬめぬめしてない。
 ずっと外に植わってたからあったまってて、冷たくはなかったんだけど、思わずびっくりして声を出してしまった。
「これで、気持ちよくなるかな?」
 マルルウさんはいたずらっぽく笑ったけど、そんなのとっくだ。でなかったらこんなビンビンになってないって。
 おねーさんは笑って、濡れたからよく滑るようになった胸でつるつる刺激してきた。さっきよりずーっと、気持ちイイ。
 つんととがった乳首が時々触ってくるのも、ぱん、ぱんという音も、またいやらしい。
 さっきから我慢してたからもうムスコはべとべとで、ますます滑りが良くなってくる。オレもおっぱいを揉みながら(これがまた手に余る大きさなんだ)、腰を打ち付ける。
 合計四つの手でいじられてアヤしくしなってる胸は、絶妙のタッチでこっちを追い上げてきた。
「んあ、わ……」
「ふふっ、味見」
 ぱくっとくわえられ、舐められる。つってもピストン運動中なんで、また離れる。
 離れるんだけどちゅっ、ちゅっ、とそのたんびに亀頭に、色っぽい形の唇がキスする形になる。
 彼女はぱっと見眠たそうに目を細めてるけど、それは笑顔だ。あったかい笑みに許されてるような、包まれてるような感じがして、とっても安心できた。
「マルルウさん、も、出そぉ……」
 せり上がってきてて結構切羽詰まってるけど、素直に言えた。
「うん、じゃあこっちにね……はむ」
 柔らかくくわえて、舌で刺激してくれる。
「今日は甘いから、へいき。いっぱい出して……」
 出口をぐりぐりされるだけで、あっけなくオレは出してしまった。
「あ、ハ……ァッ……!」
 びゅ、びゅ、と勢いに一段落がついて放出が弱まってくると、残りを掻き出すように手で優しく扱いてくれる。
 その最後まで口に溜めて、しばらく取っ掛かりを探してから、彼女はごくんと喉を動かした。
 ヤシのジュースをローション代わりに使ったから、多分いつもよりも飲みやすかったのかも。
「――おつかれさま」
「……っふあー……」
 へなへなと膝から力が抜けそうになるのを必死でガマンして、オレはマルルウさんの上からどいた。お腹の上に体重かけちゃったら重いし痛いに決まってる。
 だけれど隣に行くまでが限界で、その後ぺたんと尻を地面に着けてしまった。もう力が入らないほどの、めちゃめちゃな脱力感があった。
「すーっごい、気持ちよかったよ……サンキュ」
 もちろんもっと気持ちいいものが控えてるのは分かっているのだが、いかんせん今はこの快感が強すぎる。
「うん、ゆっくりいきましょ……」
 お見通しって感じで彼女が笑ったのに、オレは苦笑いするしかなかった。
 とはいえそんなに、復活まで時間は掛からなかった。
 マルルウさんの体で、触ってその気にならない所なんてそうそうないのである。おっぱいばっか触ってたけど、脚だってもちろん引きしまってるのにむちむちしてて、触ってすんごく楽しい。
 スキンシップしてる内に若さゆえの回復力で、オレはあっという間に元気になってしまったのだ。

 となれば、後はやる事はひとつだ(下品だけど)。
 触ってるうちに乾きかけてきていたマルルウさんも濡れ直して、いい感じにほぐれてる。大きく足を広げたおねーさんの上に、オレはのしかかった。
 さっき指で感じた焼けそうなくらい熱いうるみが、すぐ向こうに待っていると思うと、矢も盾もたまらなくなってくる。
 生唾を飲んで、それから声をかけて、切っ先に力を入れた。
「行くよー……」
「うん」 
 ずるん、と。
「あふ……ぅっ」
 ほんの少しの抵抗を見せて、だけどそれだけで、ムスコは爽快なくらいにマルルウさんの中にぴたっと納まってしまった。迎え入れるのは楽々、だけどその後痛いほどに締め付けてくる。
「はーっ……」
 熱くってとろとろしてて、どこもかしこもぴったり引っ付いてきて、もう正直足の感覚なんかない。下半身全部ソコになったみたいでじんじんしていて、すっごく、すーっごく、気持ちいい。
 すぐにも出しちゃいそうなうねりにやっぱこれだなー、と大きく息をつきつつ、オレは実感した。
 性格良くて、優しくて、ナイスバディで、名器なんである。こんなにいい女って、絶対そうそういない。こんな美人がフリーなのって、奇跡といっていい。
 ただそれを、オイシイからといってほっとく気分にはなんでか、ならない。
 マルルウさんに何があったか分からない。ないかもしれない。でもやっぱ、幸せになってほしいと思う。知ってる人が不幸なのって、イヤな話だから。
 曇り顔の原因を聞き出して、癒してあげたいなって、思うことは結構、しょっちゅうあるんだ。
「く、ふ、あん……」
 もうそろそろ、と頃合を見計らった。揺さぶり始めればマルルウさんが喉を反らせ、背中に回った腕に力がこもる。
 こりこりしたところを重点的に責めれば、甘い悲鳴が耳元で響く。お腹を中からこすりあげれば泣き声が混じる。
「う……っく、あ、ああ、あハぁ……っ、やあああ」
 ――もちろん今のオレじゃ、それは無理な話だ。こうやって彼女をあんあん言わせて忘れさせてあげるのが、できる最善の方法なんだ。
「きもちい……?」
 乳首をつまみ、首筋に吸い付く。五本の指をいっぱいに広げて、おっぱいをつかむ。でっかいサイズのをぐにぐに押し潰して、腰をごりごりと底の底まで押し付ける。
「あアっ、か……ったい……ッ!」
「……」
 ちょっとビミョーな気分になったのは否定しない。日本人のは小さいけど硬いんだっていうのが本当かは知らないけど、案外本当のようだ。
 ――もしかして過去に何があったとかそういうんじゃなくて、単に硬いのがいいから、キープされてたりすんのかな。
 ま、いいか、とオレは考えるのを止めにした。
 オレだっておんなじである。巨乳だからほいほい乗っちゃうんだもん、人のことなんて言えやしない。
 それにしてる最中に考え事するのって、失礼だ。
「――ん、くゥッ」
 いきなり中がものすごい熱さでうねった。手で絞り取るのよりもずっと粘ってぬるぬるする不規則な動きに、思わずうなってしまう。
 前言撤回。
 なんか考えながらじゃないと駄目だ。でなきゃオレの方が即行でイッちゃうわ、これ。

 マルルウさんは体をよじりながら悲鳴をあげる。手はぎゅっと握って、首はいやいやしていて、まるで赤ん坊だ。
「も、っと、手前、そ、っそこ……っ……!」
 可愛いあえぎ声の注文どおりに、一番奥よりちょっと手前のつぶつぶしたところを狙って突きを入れれば、背中がしなった。
「やあん、ひゃ、あああっ」
 膝の下は乾いた砂だからちょっと痛い。でもそれを忘れるくらい、コーフンしてる。
 こっちのがんがんピストンしたいっていうのと、マルルウさんの焦らしつつもイきたいっていうのをつじつま合わせて、二人ともキモチヨくなるように。
 考え事しながら、締め付けそうになったら逃げて、他のところ触って上手いこと注意をそらして。
 あっちこっちなでたり、なめたり、かいだりして、この最高にエロっちいおねーさんを味わう。
「んぐッ!」
 思いついてチューしたら鼻の下がぶつかった。さっきフェラしたよなって思ったけど、すぐにどうでもよくなった。痛いしイカ臭いけど向こうだっておあいこだ。
 つながってる最中のキスって、二重にエロい。粘膜がダブルで刺激されて、相手の体温もダブルで近くに感じられるからだ。
 上の口ではオレの舌についてくるのが必死なくせに、下の口ではこっちのこといいようにもてあそんでて、そのギャップがすごい。
 マジで精子全部吸い出されそうなくらいだ。
「……っはァ、ね、タローくん……」
「――ん」
 いつの間にかマルルウさんはオレの背中にしがみついてた。キスを無理矢理打ち切って、泣きそうな顔でねだってくる。
「ね、もう、きて……」
 ぬちゃぬちゃってヒワイな音バックにそういうこと言うんだよなあ、この人。
 どんだけそそるかって分かってるのかなあ。
「うん……」
 見ればおねーさんも、結構限界にキてるみたいだ。
 じゃあ遠慮なく、とがんがん突きこんでいれば、みるみるうちにだーっと射精する時のぞわぞわがせり上がってくる。
「で、出るよ、いいねっ?」
「だいじょぶ、きて……ぁッ、あああッ」
 気付くと脚もオレの腰にからんでた。くっついてくる彼女の一番奥底にまで押し付けて、今までガマンしてた分だけ勢いよく、出した。
「あッ、あ――」
 一度目よりも減ってるけどその分余裕をもって、どこに当たるかを考えることができる。
 でもカンペキには理性は戻ってなくて、ホントに出していいのかと考えかけたけれど、気持ちよさに投げ出してしまった。
 それにマルルウさんがすんごいキレイで、今出すのを止めたら台無しになりそうだったからだった――まあ、フツー止められないんだけど。
「おなか、いっぱい――とろけちゃいそうだった」
 お互いイって平静になって、体の震えが止まって、相手の体温を楽しんでしばらくしてから、オレは離れた。
 最後まで出し尽くしてすっきりしたし、マルルウさんもイってすっきりしたみたいだ。隣に寝っころがると、だいぶ空が夕焼けっぽくなっている。
「……こっちもサイコーだったよ。もー、ホントに」
 なんでこう、ぞくぞくするような事言ってくれるんだろう。オレってなんでこんなに馬鹿なの、と思ってみたけど、国語の成績が良くなっても多分ダメに決まってる。
 あー。
 この人にはかなわない。
 ――ふと、肩が急に重くなった。マルルウさんがオレの肩をつかんで、上に乗ってる。股からどろどろと混ざったものが腹に垂れて、鳥肌が立った。
「――ね」
 もういっかい。しよ?
「……しょーがないなあ」
 その笑顔に弱いんだよなー。苦笑いして、オレはさっきとは反対に、キスを受けることにした。

【終】

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