2Pつよし×ロッテ


お姉ちゃんより、女らしくない。

言葉遣いは乱暴だし、
料理だって目玉焼きを焦がす腕前。
誰にも負けないのは、多分夢見る事くらい。


久しぶりに再録組として呼ばれた13回目のパーティー。
片方がDJ、もう片方が王子様というちぐはぐな姿。
2P側だから表舞台には立てない、だから一緒になった。

話をしてみると歳も近いらしく、弐寺とか色んな音ゲーをやるそうだ。
無理を言ってやって貰ったギタドラも余裕(たまゆら赤、平然と繋ぐとかどんな腕してんのよ)
だから皮肉で「動きがキモイ」って言ってやったら笑って「お前もポップンの時は充分キモイ」だって。
 

その後も何度かプライベートで会話を交わした。
別に恋愛感情なんて無かった。
ただの、友達だった。

どうせ、コイツもお姉ちゃんの方が好みなんだろうと思ってたから。

「そういえばロッテは普段どんな事してんの?」
「んー…と、家事手伝いの修行」
「家事手伝い?」
「うん」
「…それってメイドみたいな感じ?」
「また違うんじゃないかな、花嫁修業みたいなの」
「お前のねーちゃんも?」
「お姉ちゃんもそうだよ。ウチは代々、そういうのを生業としてるんだって」
「生業ねぇ」
「つよしは?」
「俺?学校には行ってねーから、バイトとか…そんな感じ」
「ふぅん……」

頼んでおいたケーキを一口食べると甘い味が口内に広がる。
つよしはあたしの食べる姿を面白そうに見ていた。

「何よ」
「いや?美味そうに食うなって」
「あっそ」
「そんなに怒るなよ」
「怒ってないわよ」
「何でお前ってそんなに自分に自信がねーんだよ」
「はぁ?」
「ねーちゃんと比べられてきたからだろ?今まで」
「…」

否定できない。
フォークを置いて、うつむく。

「………行くぞ」
「え?…ちょ、どこに…あたしまだ…」
「後でいくらでも買ってやるし、食わせるし。行くぞ」

無理やり腕を引っ張り、立ち上がらせて店を出て行く。
店員も呆然としていて、決まり文句を言う事さえ忘れていた。

引っ張られるままに着いて行き、つよしが立ち止まった場所は薄暗い路地裏だった。

「……」

何をされるか、とロッテは少し身体を硬くする。
時々見る、深夜のドラマではよくこういう所に女を連れ込んで――…
それ以上は考えなかった。

馬鹿馬鹿しい。
どうせコイツもお姉ちゃんに惚れてるんだから、そんな事する訳ない。

「何よ、こんな所に連れて来て」
「…」
「何か言いなさいよ」
「あのさあ」
「…」
「俺がお前好きだ、って言ったらお前信じないよね」

両手をだぼだぼのズボンのサイドについたポケットに突っ込み、壁に寄りかかりながら言う。

「―――」
「素直に言ってよ、信じるか信じないか」
「…信じる訳、ないじゃん」

そわそわと手が落ち着かない。
とりあえず手を組む。

「だって」
「ラッテの方がタイプなんでしょ、」
「………」
「ロッテとはお遊び。ロッテはラッテに近づく口実として利用されてるだけ」
「…なんで…」
「ぜーんぶ、顔に出てるから。お前、自分を卑下しすぎ」

図星。
何も言えない。

少し手を動かし、すぐにまた組んでしまう。

「…何か言いたいことは」
「…………」

【馬鹿にされてる】

一番最初に脳裏に浮かんだ言葉はその一言だった。
ロッテは言いようの無い怒りの感情に襲われていた。

「何よ」

ぼそ、と言葉を吐く。
堰を切ったように言葉が口から出て行く。

「その通りよ!アンタだってどうせ、お姉ちゃん目当てなんだ!」
「何でそう思ったの?」
「今までの全員そうだった。皆、みんな、お姉ちゃんお姉ちゃんって…」
「…」

「アタシなんかっ、誰も見向きも、しなく、って」

「どうせ、アタシは、ら、ラッテの妹でし、かなくって」

「……………っ……み、皆、ラッテ、って……ロッテはお、まけで……」

「アンタ、だって、そう、だって………」


いつの間にか出てくる涙を拭う事も忘れて言葉を吐く。 

「…嬉しかったの、…あ、アン、タがア、タシに、構ってくれ、て…」
「俺が?」
「みん、みんな、お姉ちゃんにしか、行かないから」

ようやくそこでロッテは涙を拭う。
つよしは腕を伸ばしたがすぐに引っ込めた。

ロッテはまた、少しぐすぐすと泣いていたが、少ししてため息をついた。

「あーあ……こういう時、こういう立場って嫌なの。表に普通に出れないから」
「それも、そうだな」
「だからアタシはラッテの妹です、って言うしかないの。それ以上の自己主張なんて出来やしない。
 誰かが気付いてくれるまでは永遠に裏の立場でしかないから、だからアンタが構ってくれて嬉しかった。
 少しだけ裏の世界もいいトコだって気付けたよ」
「ロッテ?」
「…ああ、どうせ、また、」
「……何も心配する事なんてないから」
「ん?」
「誰も気付かなくても俺が気付いてやる。どんな所に居たって、お前に俺は気付いてやる」
「――……」

 自分を見つめてくる、濃いオレンジ色の瞳。
 初めて見た時は、ああ、とても綺麗な色とは思ったがこれが、今ほどに――

「あのさ、…アタシね」
「何?」
「アンタの瞳、大好きよ」
「……それはどうも」
「あーあ、いつかアタシも表舞台に立てる日が来るのかしら」
「来るよ、きっと」
「じゃあそれまで待つわ」
「ん。じゃ、帰ろっか」
「うん」

 大丈夫。
 キミとなら例えどんな立場だとしても
 泣かずに居られる。

―数ヵ月後―

 ザッ、ザザ、ザ………

『さぁさぁさぁさぁ、今日も元気に始まりましたよポッパーズラウンジー!』
『今日は皆にちょーっとお得な情報を教えちゃうぞ☆』
『何々〜?ニャミちゃん教えてよぅ〜』
『今度行われるアーケード・コンシェーマー合同のパーティーに呼ぶ新ゲストのリストが一部公開されたの〜』
『おおー!誰々〜?』
『じゃあジャンル名と曲名と一緒に皆にお届けしちゃうね!』
『ほらほら!ここでばーっと音楽流す!』
『ミミちゃんたらー』
『盛り上がんないとさぁ、やっぱ!あのー、ちょっと大きい気がするんでもうちょっと下げてー』
『もう…。じゃあ言うよー、皆ー、耳かっぽじってよーく聴いてよね!』
『おう言っちゃえ言っちゃえー!』
『まずはジャンル名【ナイトメアカルーセル】、曲名は【カーニバルの主題によう人形のためのいびつな狂想曲】!
 担当するのは人形のカンタ!ちょっと聴かせてもらったけどちょーっと怖い曲だったね。
 次は前も言ってたけど、ジャンル名【幻想水滸伝V】、曲名は【女王騎士】!
 担当するのは皆ご存知、プリンス・オブ・ファレナ!すっごく格好いい曲なんだよね!もちろん王子も格好いいよ〜。
 お次はジャンル名【任侠ロック】、曲名【BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY】!
 あっ、これアタシ出るからよろしくね〜。やってくれないとオシオキだぞ!』
『任侠ロックはキルビルで有名だよね〜』
『めっちゃカッコいいからね。アタシに惚れるとヤケドするぞ☆』

『次は〜次は〜?』
『ほいほい、次はジャンル名【チキンハート】、曲名は【ニワトリなのだ】〜!
 あのA.I.Unitsの新曲だよ〜、最近見なかったけど元気してるみたいだね〜。
 担当するのはちっちゃかわいいエックノックガール!お持ち帰りしたーい!』
『他にもいっぱい仲間が居るんだよね〜』
『そうそう!そして!最後に皆に朗報だ〜!』
『何だ何だー!』
『10回目の合同パーティーで呼ばれたラッテちゃん居るでしょ?』
『居たね〜!』
『あの子の双子の妹、ロッテちゃんがつ・い・に!登場するんですよミミさーん!』
『マジすかー!』
『ジャンル名【ジュエリーロック】、曲名【jewelry gifl*】!作曲者さんによれば彼女のために作られた曲だそうですよ!
 これは楽しみですねぇ〜!どんな衣装で来るのかなぁ!』
『もーあの子なら何でも似合うんでおじさん何でもいいです!』
『こらこらミミちゃん、キミ女の子ー!』
『あははははははは』
『それじゃあ次のコーナー行こっか!』
『そうだねー!』
『じゃあここで一旦CM!チャンネル変えたら嫌だぞ☆』


 ザ―――…

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