獄卒くん×おんなのこ→目深帽子


私の体を滑る指
私の体をなぞる舌
私の体に触れる手
私の体に潜り込む熱
私に向けて笑うヒト
そんな他人の中に私は貴方の面影を探す。何もかも、大きく違って居るのに。
流れる白濁。そして涙が。
「待っていたって戻ってきやしないさ。彼奴はもう、遥かに」
「ええ、知っています、けれど」
戻らないから何だと言うのか。戻らないひとを想う心は許されざるものなのか。
強く抱き寄せられてもそれは私にとって温もりではない。私の望むあたたかさはあのひとのみ。それ以外を何故望むと言うのか?
「其処までして彼奴を望む?僕を拒絶する?」
「私の全ては彼の人に。」
「そうか、では」
ぼう。
火だ。熱い。でも、どうやって。何処に燃える様な物が?
ああ、ここにひとつよく燃えるものがあったぢゃないか。
私だ。
からだが、黒くただれていく。
「焼けてしまえ、その中で独り解れば良い。御前にはもう僕しか遺されて居なかったことを」
「解りませぬ。解るものか。」
血も流すことなく焼けていく私の四肢。少しずつ消えていく。溶けていく。
ああ、だけれどやっと逢えるのですね。
「目深帽子様」
流れ落ちた雫。

失くなった筈の体が眼下に。動かそうと意識したならばそれらは私の思い通りだった。
何故。私の体は確かに焼けたはずなのに。
「目は醒めたかい」
男の声がした。愛しい彼の人のものでもなく私を焼いた彼奴のものでもない、何処か威厳を讃えた声が。
嗚呼、まだ貴方には会えないのですね。
「貴方は」
「久しぶりだなぁ、元気にしてたか?いや、もう死んじまったんだよな」
「神様」
彼は私の頭を撫でた。表情を伺い知る事は出来ない。色付いた眼鏡が私を映しているだけ。
「お前のいのちは尽きた」
「はい」
「そこでだ」
光が生まれた。星屑の様なそれは神様を取り巻く。私は知らぬあたたかな光。
「最後にひとつだけ願いを叶えてやろう」
光が弾ける。虚無の世界に砂の様な光が広がる。
「お前を焼き殺した彼の男が憎いならば同じ様に灼き尽してもみせよう。はたまた鎌鼬で八つ裂きか。さぁ、最後に何を望む?お前が生き返ること以外ならば何でも構わないぞ」
「その様な事は望みませぬ。ただ」
流れた光へ手を伸ばす。ああ。眩しくて融けてしまいそうだ。
「彼の人に会いたい。彼の人が私と出逢うことを望んではいなくとも。それだけで構いませぬ。」
「それで良いのか」
「勿論です。」
「そうか、なら約束しよう」
小指を絡めた。
ゆびきりげんまん。小さく揺らした手は光の中へ。
ゆび切った。

目を開ければ其処は雪に閉ざされた世界。
「ああ」
白の中に在る貴方。
「目深帽子様」
やっと逢えたのですね。
互いに手を取る。そして強く抱き寄せた!
「もう離しませぬ」
「御逢いしとうございました」
あんなに望んだ温もりがいまはこの腕のなかに。

ぱち、ぱち。
火の粉の音など何の意味もない。
「さぁ、此れからも共に在ろう」
「ええ、目深」
ひしと抱き合う胸のなかに狂気を忍ばせ。
私たちは、火の海へと。
溶けていく。

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