おねがいかみさま


「(=゚ω゚)ノシぃょぅ!」

目の前の少女は突然現れた俺に驚き、口を半開きにしてポカーンとしている。
こんな反応は慣れてるけどな。

「ど」
「ど?」
「ドロボーさん?」

いやいや、ちげーし。
つかそう思うなら叫んだほうがいいぞ。
俺は困るけど。

「あいにく何も盗む気ゃねーよ」
「じゃあ、ヘンタイさん?」

いやいや、ちげーってば。
つかそう思うならさっさと逃げろ。
俺は困るけど。

「つーか、お前さん。俺のこと知らない系?」
「あなただぁれ?」

ガーン。
そういやこいつ、パーティの打ち合わせンときゃ兄貴が出席してたんだよな。
はたから見りゃ、俺様ちょっと不良チックだし。

「聞いて驚け見て笑え、いや笑うな。俺様はいわゆる『神』ってやつだ」
「へぇ、すごーい」

このお子様。
やけにあっさり信じるなオイ。
フリってこともなさそうだが、逆に心配になってくるぞ。

「さて、早速本題だァ」
「うにゅ?」
「貴様は『一つだけお願いを叶えてもらえる権』を獲得しました。ハイ、拍手〜」
「わーい、パチパチパチ〜」

このお子様、えらくノリがいいな。
逆にやりにくい。
…ま、いつも俺様の会話の相手があんなの(ミミ)やこんなの(ニャミ)だしなぁ。

「さて、願いを言え。どんな願いでも一つだけ叶えてやろう」
「えーとね」

まー時間はかかるだろうナ。
突然だし。
とか油断してたら、

「えーとね、ミニッツを『せかいいちのビショージョ』にしてください」
「神の力を超える願いは叶えられない。ま、今のままで充分じゃね?」

う。
なんか疑いの目。
しょうがねーじゃん、俺の力なんてそんなに大きいモンでもないし。
第一本来の目的があるし。

「ほら、他にもなんかあるだろ。なんつーか、片想い〜とか、悩み事〜とか」
「え〜とね」
「おう」
「…タイマーおにいちゃんのコイビトになりたい」

タイマーの人気に嫉妬。
いやいや。
こっから説得にかかるか。

「みんな、ミニッツがおにいちゃんすきなのを『へんだ!』ってバカにするから、だから…」
「不安なわけだな」
「…うん」

「まーいいんじゃねぇの」
「へにょ?」
「そんなん神の俺が許すってーの、そんなん。つーか兄妹とか最高に萌えるじゃん」
「…」

あ、引かれた?
現在、俺様の株価大暴落。おめでとう。

「それはともかくさ、お前の演技のデモ見せてもらったんよ。あれじゃ駄目だわ」
「ダメ?」
「なんつーかさ、無理に背伸びし過ぎ。兄貴に追いつこうとしてんだろうけどな。
 俺様がお前みたいなチビッ子をパーティ出演者に選ぶんは、『子供らしさ』を前面に出してほしいからなワケ」

例外もあるっちゃあるけどな。

「もっとさ、色々考えずにガツ〜ンとやっちまえよ。自分らしく」
「…うん」
「元気が足りない。もっと大声で!」
「はい!」

イイね〜。
やっぱ子供ってのはこうじゃなきゃな。

「んじゃ、お悩み解決。願いを言え」
「え、まだきいてくれるの?」
「今のは『神様のお悩み相談室』ってとこだ。単なるサービス。さて、願いを言え」

ホントは「タイマーとの関係で悩んでるのをうまく言いくるめてほしい」って言われてるだけだったんだけどな。

「じゃあ…」

俺様、素直な奴は好きなんだよ。

〜ポップンパーティ当日〜

いやぁ〜、まさにパーティ日和じゃんよ。
客席も満員御礼、出演者もベストコンディションってか。
今回も期待できそうだな。

「やほー、MZD」
「ひっさしぶり〜」

猫娘と兎娘。
俺、こいつら苦手なんだよな〜。

「よう。お前らも準備はいいのか」
「「バッチシだよ〜」」

仲のいいことで。

「あ、ニャミちゃん!タイマーも来てるよ」
「え?どこどこ」
「ほら、『隠しキャラ専用スペース』のミニッツちゃんのとこ!」
「ニャミ、行きま〜す!」

バヒュン!
とか、もの凄っげ勢い。
…にしても、

「俺様に何か用かよ、兎娘」
「あらら、ぞんざいな扱いだね」

ニャミを見送ったまま、顔も向けずに会話をする二人。
わざわざ人払いまでしやがるし。
やべ、なんかスパイっぽくね?
俺様超カッコよくね?
とか現実逃避してみる。

「お世話になったね。わたしのミニッツちゃんが」

怖ぇっ。

「お前からの頼みじゃ断れねーかんな」
「頼みってよりも命令だけどね」
「…イヤ、ホント、勘弁してくれ」

コイツぜってー悪魔かなんかだろぉ。
なんで神様な俺様の弱みとか握るんだろうな。
…どんな弱みかなんて訊くなよ。

「で、あのミニッツの格好はなんだ」
「あははっ気づいた?」

当初予定してたコスチュームに加え、なぜかかぼちゃパンツ。
しかもほとんど常時見えてる。

「今回の報酬」
「   はぁ?   」
「MZDにセクシーショットを見せてあげようと思ってね。見えなきゃパンツじゃねぇんだぜ、ってね」

こいつ楽しんでるな。
いつかひん剥いてやるからな、この兎。

「そう言やぁさ、悩み聞くついでに願い事叶えてやっちまったけど。いいよな?」
「へぇ、珍しいことするもんだね。どんな願い事?」
「『しょうらいオッパイがおおきくなりますように』だとさ」

それくらいなら俺でも叶えられる範疇。

「叶えたの?」
「まあな」
「ふぅん、叶えたんだぁ…」

いや、ミミさん半端なく怖いです。

「お待たせー」

やっと猫娘が帰ってきた。
つーか遅ぇよ。

「そろそろ始まるかな?」
「うん、あと数分」
「あーホラホラ、さっさと持ち場につけよお前ら」

進行が遅れたらせっかくのパーティがぶち壊しだろ。
俺だって今日のために司会の練習やらリミックス曲引っさげて来てるんだから。

「ちゃんとやってよ、神」
「期待してるからねっ…あとで覚えてなさいよ」

最期のは耳打ちされた。怖い。
そしてミミニャミの二人は大急ぎで舞台裏に駆けていった。
さて、そろそろか。気を取り直してっと。


時間が来た。
開始を告げる音楽が流れ出す。
俺はマイクを片手にステージへ飛び乗った。

わぁぁぁぁぁぁ!

いいねぇ、この歓声。

「みんな元気してっかぁ?」
「イェーイ!」
「心の準備はいいか?」
「おー!」
「フィーバーの新キャラがみたいかー!」
「おー!」
「俺も!俺もだ!みんな!」

「デフォ・通常隠しキャラ入場!!」

80'sは生きていた!! 更なるリミックスを積み名曲が甦った!!!
短パン!! あっくんだァ――――!!!

ボールを奪いしだい投げまくってやる!!
ハドソンことハイスピードラブソング 翔だァッ!!!

真の絵描き歌を知らしめたい!! タラバガニ 硝子だァ!!!

俺の巻き毛は完璧だ!! ナルシスト ナル彦!!!!

バーリ・トゥード(なんでもあり)ならこいつが怖い!!
オカマのピュア・シンガー ハニーだ!!!

アキバ発―ツクバ着で未来シティの公務員が上陸だ!! ツクバ!!!

未来への土産にダンスとはよく言ったもの!!
特殊スーツの奥義が今 実戦でバクハツする!! 未来人(ロボじゃないよ) ふゅーちゃんだ―――!!!

王子様を待つことこそが夢見る乙女の代名詞だ!!
まさかこの犬がきてくれるとはッッ クリーミィ!!!

演りたいからここまできたッ ヴォーーーイ一切不明!!!!
ライヴハウスのロックンローラ Dだ!!!

オレはP-シリーズ最強ではないロボキャラで最強なのだ!!
御存知某SFロボ(違) P-14!!!

人形の本場は今やドールにある!! 私を褒めてくれる奴はいないのか!!
シャルロットだ!!!

デカァァァァァいッ説明不要!! 身長不明!!! 体重不明!!!
フォトンだ!!!

音楽はストリートで歌えてナンボのモン!!! 超実戦音楽!!
本家日本からBis子の登場だ!!!

自分のルーツを探しにパーティへきたッ!!
大らかなアフリカン ブラウン!!!

前髪パッツンに更なる磨きをかけ ”女スパイ”エイプリルが帰ってきたァ!!!

100年に一度の流星群が今ベールを脱ぐ!! 空だ!!!

セレクトショップの前でならオレはいつでも横たわる!!
流れる音楽 ブレーメンズ 集団で登場だ!!!

特に理由はないッ お嬢様が可愛いのは当たりまえ!!
爺にはないしょだ!!!
愛子がきてくれた―――!!!

毎日の散歩で磨いた脅威の脚力!!
大輝くんちのデンジャラス・ドッグ ハリーだ!!!

キノコだったらこの人を外せない!! 超低速 ミス.マッシュだ!!!

超一流スターの超一流のTV showだ!! 生で拝んでオドロキやがれッ
ドーナツタウンのモデルは言えない娘!! ベティ!!!

バトルダンスはこの女が完成させた!!
身かわしの衣と砂漠の剣!! シャムシールだ!!!

若き二人が帰ってきたッ
どこへ行っていたンだッ ポッパーズッッ
俺達は君を待っていたッッッミミニャミの登場だ――――――――ッ

「なんだその紹介はー」
「引っ込めー」

あたしらがムキムキの格等家みたいに紹介されちゃってるよ。
ステージ上のみんなを始め、観客席からも空き缶とか、ゴミとかが神に向かって投げつけられる。

「痛て、ちょ、待てって」

指揮棒や剣や銃まで飛び交ってる。
すると、隣にいたミミちゃんが

「ちょっとコレ貸して!」
「あ、それは…」

硝子ちゃんが持っていた物体を投げた。

「ミミちゃ〜んスペシャル!」
「私のタラバガニー!」

スコーン!
パリーン!

「…砕けた」

蟹の鋏がMZDの眉間に刺さり、冷凍されていた身が衝撃で砕け散った。
やるね!ミミちゃん!
わたしは倒れたMZDのマイクを奪い取り、ミミちゃんと一緒に司会席へ。

「こっからはうちらが司会だよー!」
「あはは。さてニャミちゃん、今回のテーマは?」
「はっちゃけフィーバー!」
「ステージのみんなも、観客のみんなも?」
「うちらと一緒にフィーバーしようぜぃ!」
「それじゃ行っくよー!」
「「We love pop'n music! 第14回ポップンパーティ開演!!」」




後で聞いた話では、MZDが病院送りになったせいでリミックス枠が潰れたんだって。

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