つよし(王子)×アンズ


おひめさまのキスで、おうじさまはカエルからもとのすがたにもどりました。
そんな童話を昔読んだ。だけど、私には関係ないの。

だって、私はカエルなんだもん。



「どうしたのでございますか、アンズ」
おうじさまが私に話しかけます。だけど私はしらんぷりです。ずっと下を向いていました。
こんな綺麗な人に私の悩みなんかが解るわけありません。大好きだけど大嫌いです。
「僕の作った曲は気に入らなかったのでございますか?」
やっぱりちょっとズレてました。そんなわけはないので首を横に振っておきます。

私は、そんなことで悩んでいるんじゃないのです。
私はただ。


「おーい王子。俺ちょっと行ってくるな」
「えへへー…ってわけでDJ借りてくわねっ!」
おうじさまの後ろから声がしました。おうじさまの相棒と、その妹というか何というかなアイドルさんの声でした。
「あ、解ったでございます」
おうじさまは気のない返事をしました。二人は何やら浮わついた顔で、だけど可愛らしく手なんか繋いで駆け出しました。

あー、あの二人今からデートなのかな。羨ましい。

私の悩み。
それは私がカエルなことです。
この世界は割となんでもありなので、今まではこれっぽっちも気になってなかったけど、おうじさまに出会ってからはずっとそればかり気にしていました。

おひめさまは普通人間です。少なくとも人型をしています。人外姫の物語はちょっと心辺りがありません。
だから、おうじさまには似合わないのです。

おうじさまの相手はおひめさまだと決まっています。
私はおひめさまにはなれません。
それが悲しくて、ずっと悩んでいました。
私が人間だったら、あの二人みたく手を繋いで駆け出して、それからずっとくっついていたいのに。


「アンズ」
おうじさまの声がとっても心配そうに歪んでいました。私はおずおずと顔を上げます。
そうしたらおうじさまはほっと息を吐いて、私に微笑みかけたのです。
「やっと僕を見てくれた」
そんな風に言わないで欲しかった。真剣な表情で、私だけを見つめながら。

「…ゴメンね王子。もう平気だから」
「本当に?本当に本当でございますか?」
「本当だってばしつこいなぁ」
「しつこくもなるでございますよ」




「アンズは僕のおひめさまなのでございますから」


赤くなってそう言ったおうじさまを見て、
悩みはどこかに吹っ飛んでしまいました。

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