蜂娘と狼男


空気を細かく震わせる様な羽音は、メルヘン王国北部へと進んでいた。
小さな両手で琥珀色に輝く大きな瓶を持ち、その重さに額に汗をかきながら。
「蜂蜜食べたいな〜。でも、Deuilの皆にあげるんだから、我慢しなきゃ〜」
のんびりとした口調で独り言を言って、蜂娘のキャンディはより一生懸命羽を羽ばたかせ始めた。
目指すは北部にある、吸血鬼の城。

まだ日が昇らない内に花畑を出たと言うのに、城に着いた時は日が大分傾いていた。
鬱蒼とした森を抜けた先にどっしりと構えた城は、一体どれだけの年月を経たのか分からないものだった。
石造りの城壁は蔦に塗れており、立派な門はすっかり錆び付いている。城主が200年以上は生きているのだから、城がそうであっても不思議ではないか、とキャンディは思った。
「こんにちは〜」
「おや、その声はキャンディちゃんだねぇ?まぁ入っておいでよ…ヒッヒッヒ…」
扉がギィ、と音を立てて開き、キャンディは蜂蜜の入った瓶を引きずりながら中に入っていく。鈍い赤色をした絨毯の敷かれた広いロビーに出たが、先程の声の主が見当たらない。キャンディはきょろきょろと辺りを見回す。
「ヒッヒッヒ、こっちこっち…」

途端に視界の一部がぐにゃりと歪み、透明なはずの空気に徐々に色が付いていき、やがて一人の男が目の前に姿を現す。
「久し振りだねぇ、キャンディちゃん」
「あ〜、スマイルのお兄ちゃ〜ん。元気してた〜?」
元気だったと返しても説得力のない容姿のスマイルは、包帯だらけの青い顔面に笑みを浮かばせている。
「…で?今日は何の用なの?」
「そうそう〜キャンディは〜蜂蜜を届けに来ました〜!」
「へぇえ…これ?すっごくおいしそうだねぇ…ヒヒッ、ありがとね〜」
気だるくなる様な口調でやりとりする二人。その内の一人であるスマイルは受け取った瓶を抱え、会話を続ける。
「今から帰ったら夜になっちゃうから、今日はここに泊まりなよ?僕がユーリに頼んどいてあげるからさぁ」
「う〜ん、そうする〜」
「ヒヒッ、じゃあアッシュが帰って来るまで待とうよ。きっと蜂蜜を使った料理を作ってくれるよ…ヒッヒッヒ」
「あ〜、キャンディ、お城の中探検した〜い!」
「いいよ〜存分に楽しんでおいで〜?じゃあ、僕はギャンZ観てよっと…ヒッヒッヒ…」
瓶を抱えたまま、横幅の広い階段をいそいそと駆け上がっていく後ろ姿を見送った後、キャンディもどこかへ飛んでいった。

「ただいまー。あれ?花の匂い…?」
玄関ホールで、戻ってきたばかりの狼男は鼻をくんくん鳴らしている。両手に抱えた沢山の紙袋のものではない、甘い香りに気が付いたのだ。
「遅いぞ、アッシュ」
「あ、ユーリ…」
声はよっぽど大きかったのか、女と見紛う程美しい吸血鬼が階段を降りてくる。アッシュは紙袋を抱えたまま、とことことユーリの元へ向かう。
「南部から客人が来ている。スマイルも待ちかねているから、早く夕食の準備に取りかかった方がいい」
「キャンディが、来ているんスね?すぐに作るっス!」
疲れを感じさせない元気な足取りで、アッシュは厨房へ向かう。ユーリはその姿に向かって、キャンディは蜂蜜を持って来てくれたそうだ、と付け足した。

今にも自分を押し潰してしまいそうな程夥しい数の本が、天井まで届く本棚にぎっしりと整列している。遠き山に日は落ちて、普段薄暗い部屋はますます薄暗くなっていた。
そんな中。キャンディはある本を熱心に読んでいた。城内を探索している内に、書庫に辿り着いたらしい。読むスピードこそは楽譜の速度標語で言う、ラルゴ(=緩やかに、幅広くの意)並みに遅いが、それでもキャンディは読書に熱心だった。
200年の時を経た本の醸し出す黴臭い匂いにも、視覚を奪い、紙面の文字を隠す暗闇にも、そして、感覚の彼方で自分自身を呼ぶ3つの声にも反応が出来ぬ程。

一方で、キャンディを呼ぶ声は城のあちこちで響き渡っていた。
多くのファンを魅了する色のある歌声も、悪戯っ子の様な独特の笑い声も、今では何処にもない。狼の遠吠えに似た、必死で大きな声だけが木霊している。全てを見ている神ならば、この状況を喜劇ととったに違いない。

その喜劇は、新たな展開を見せようとしていた。嗅覚の鋭い狼男――アッシュがキャンディの身体に染み付いた甘ったるい花の香りを辿って、やっとの事で彼女のいる書庫の扉の前に辿り着いたのだ。
アッシュは(どうか此処であります様に)と少しの間祈って、彫刻の美しい金製のドアノブに手をかけた。
ほとんど真っ暗の書庫で、アッシュは未だに読書に没頭しているキャンディと対面した。

「キャンディ、」
アッシュはほぅっと溜め息を吐く様に、目の前にいる幼い少女の名を呼んだ。相手はぎこちなく、ゆっくりと顔を上げ――ぱぁっと無邪気な笑顔を満開させた。
「アッシュのお兄ちゃんだぁ、お帰り〜。ずっと待ってたんだよ〜?」
「…こっちはずっと探してたっスよ……」
城内だけでなく、色とりどりの薔薇が咲き乱れる庭園、更には城を囲む森までも散々さ迷い歩いて、体力馬鹿とスマイルに称されるアッシュも流石にもうへとへとだった。棒になりかけた足に鞭打ち、膝の上に本を広げてぺたりと坐っているキャンディの元へ向かう。
「こんなトコで本なんか読んでちゃ、視力が下がるっスよ…続きは晩ご飯食べてからにするっ…!?」
キャンディを抱き上げた途端、アッシュは右腕にちくりと針で刺す痛みを感じるや否や、電撃に全身を貫かれ、足元から崩れ落ちた。

何が何だか分からないまま、次の瞬間にはアッシュは仰向けで倒れていた。
倒れた時に思い切り打ち付けたらしい後頭部がじんじんと痛む。それを擦ろうにも、右手は指すら動いてくれない。全身どころか、神経全てが痺れちまっている。
「ごめんね〜、お兄ちゃ〜ん」
自分の上を飛んでいるキャンディは相変わらず、にこにこと笑っている。だが、彼女の尻からは鋭く尖った針が突き出ている。そうか、俺はキャンディに刺されて、今こうして痺れているんだ。そう理解しても、怒りが湧き出るはずの感情すら痺れている。それどころか、――……。

「ん…あむっ……んぅ、ちゅ…」
キャンディは紅葉とさほど変わらない、小さな両手でアッシュの顔を支え、口付けを繰り返している。
時には犬科の鋭い牙を一本ずつ舐め、ざらついた舌に母乳を吸うかの様に吸い付き、下唇に甘噛みし
――対するアッシュは、両頬を真っ赤に染め上げたまま、なすがままにされている。コンプレックスである赤い瞳をまさに蜂蜜の様にどろどろに溶かし、閉じる事もままならない半開きの口から涎を垂らしながら。
「キャ…ン…デ…ィ……」
「ん〜?なぁに?」
互いの横顔に伸びた銀色の糸が切れた時、アッシュは幼い子の様に回らない口で言葉を発した。彼の胸に跨っているキャンディは、混ざり合った唾液を舐めながら、それに耳を傾ける。

「な…んで……こんな…こ、と…する…す…か…」
「キャンディが〜本で読んだからで〜す!」
「…は……」
本で読んだから?訳の分からない返答で戸惑っているアッシュをよそに、キャンディはいそいそと彼の下半身へと移動し、ズボンのジッパーの辺りを愛でる様に撫でた。途端に、そこの膨らみとアッシュのがっしりした肩がビクリ!と震えた。
「お兄ちゃんのここ〜すっごく濡れてるよぉ〜?」
そう言って、キャッキャッと笑い、膨らみを軽くぽふぽふ叩く。アッシュは顔の横に伸びた三角形の耳をひくひく震わせた。
キモチイイ、のサイン。彼は幼い少女を相手に、欲情し始めていた。

キャンディはベルトを外すのに悪戦苦闘した後、固すぎるボタンを外すのに四苦八苦し、やっとの事でジッパーを力一杯引き降ろした。途端にぱんぱんに膨れ上がって先走りで濡れそぼった大きなペニスが、元気良くぴょこりと立ち上がった。
皮が完全に剥けているアッシュの自身を両手で掴み、キャンディは根元から少し上辺りに口を付け、先走りをじゅるじゅると吸い始めた。
「んふぅ…じゅる……ん…む…ちゅうぅっ…ぢゅ、ちゅくっ……」
「はァ…っ…キャ…ンディ…」
「ぢゅぷ……おにい、ちゃ……んっ……んふっ……ぴちゃ…」
キャンディも顔を桃色に染め始めている。容姿はともかく、実年齢はまだ5歳にも満たなさそうな少女が、自分のモノを咥え込んでいる…。アッシュは酷く自分を悔やみ、呪いながらも、快楽に身を預ける。

「!…うあっ……!」
アッシュは背中を仰け反らせながら喘いだ。キャンディがペニスの先を咥え込んだからだ。そのまま彼女は、自分の口に入りきらない亀頭を花弁程の小さな舌で舐り、少しでも多くの蜜を得る為に吸い上げる。
「ぢゅぷっ、ぢゅぷっ…ん…ぁ……あんむ…ちゅるるっ……」
「…あー…っ……キャンディッ……!お、れもうっ…もうっ…!」
痺れは消えかけていたが、全身を駆け巡る快楽が別の痺れを生じていた。アッシュは固く目を瞑ったまま、頤を反らして、獣の咆哮を上げている。
だが彼が達しそうになる寸前で、キャンディは行為をやめた。

アッシュははっと我に返り、全身が痺れて倒れた時と同じ表情をキャンディに向けた。
キャンディはと言うと、赤ん坊が着る肌着の様な服をやはりぎこちなく、ゆっくりと脱ぎ始めていた。
アッシュがだるさの残る両手でようやく上体を起こした時、そこには一糸纏わぬ姿のキャンディがいた。

「…キャン、ディ」
肌は白地に薄い桜色がかかって愛らしく、乳首は自分と違って桃色を纏っている。秘部は陰毛なぞ勿論生えていない。一本の筋が入っているだけだ。
子供らしい体。満月の夜に決まって起こる性衝動に駆られて、幾度となく多数の女を犯してきたが、こんな体は今まで一度も見た事がなかった。アッシュは呆然となったまま、キャンディの裸体をじっと見つめていた。

「おにい、ちゃん」
キャンディは、恥じらいながらもアッシュの元に寄って来た。
「キャンディね、初めて会った時から、お兄ちゃんの事好きだったの…」
「…………」
「大好き、なの」

だから、キャンディの事も愛して、……アッシュのお兄ちゃん

「んっ!んひゃあぁっ!!おにい、ちゃぁん!!」
「だから…言ったっしょ…早すぎるって…!!」
肉と肉とが打ち付け合う音、耳に付く淫らな粘着音、そして2つの喘ぎ声が重なり、混ざり、響き合う。
キャンディの幼すぎる奥まった小さな秘部は、鮮血を垂らしながらも、アッシュを受け入れている。白濁がかった愛液は、どちらのものか――いや、もはや互いのものだった。
「あっ!あんん!お兄ちゃん!好き…!!」
「おれも…っ!……はあぁ…っ!」
どちらともなく深く口付けし合い、そして、共に絶頂を迎えた――

キャンディが懸命に読んでいた本は、違う種族と種族の男女が結ばれようとする、遥か昔の愛の物語だった――

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