カジカ×サユリ


日が西に沈み、空に一番星の現れる頃。
サユリは黒光りするアスファルトを必死に駆け続けていた。
走り慣れてないのか、ぜいっぜいっ、と息を切らす。苦しい。
「ひゃっ!」
ばたん。
転んでしまった。何度転んだだろう……もはや覚えていない。
休む間もなく立ち上がると、また勢いをつけて走り出した。
泣いている。
小さな頬の裾から一滴の涙が零れ落ちた。
夜空に瞬く星々の光が、それを通して虹の如く輝く。
しかし、サユリはその光景を見る事が出来ない。見ている暇などない。
今、サユリの頭にある事、それは彼がまだ彼の家に居るかどうか、それだけだ。

サユリは走り続ける。もう少しで彼の家だ。
答えもそこで出る。

カジカはベッドに仰向きながら、ぼーっと天井を眺めていた。
側にあるMDコンポから、大音量で音が放出されている。
パンキッシュなドラム、エッジのかかったギター、どこかテクノを感じさせるエレクトロシンセ、何故か耳の奥底に残るコーラス、それらを全て流し込むラップ。
彼のご贔屓のパンクユニット、“Des-Row組”の曲だ。名前は“カゲロウ”という。
カジカはこの曲が大好きだった。現に今聴いているのが何回目のカゲロウだか分らない。

リンゴーン……
「ん? こんな時間に……誰だろ」
カジカはおもむろに立ち上がり、演奏を止めると階段を駆け下りていった。
がちゃりっ……「どちら様で……ってサユリじゃないか」
突然の来客は仲良しの女の子。予想外だったらしい、目を白黒させている。
「一体どうしたんだ、こんな時間に……」
「あ……よかった……カジカ君まだいたんだ……まだどこにも行ってないんだ!」
サユリは思いっきりカジカに抱きかかった。
「うわっとと……」
「よかった……えぐっ、まだどこにも……ひっく、行ってなくて……ホントによかった……ひっく」
「ちょ、ちょ、ちょっとサユリ!?」
自分の家に女の子が来て、突然泣かれてしまっては、男として困ってしまう。……それでも何とかしなくちゃと思い、とりあえず頭を撫でてみたりする。よしよし。

「……で、オレが旅立つことを他のやつから聞いちゃって、いてもたってもいられず来たってことだな」
カジカはサユリを自分の部屋に招き入れると、なぜこんな時間にこの家に来たのか尋ねた。
サユリは今の今まで、カジカが旅に出る事を知らなかったらしい。
クラスの中でよく話しかけたりはしていた方だが、彼の素振りを感じ取る事は出来なった。
「……うん、私が言うのもなんだけどカジカ君、無計画っぽいから準備を手伝おうと思って……」
「いや、ちゃんとホントの事を言ってよ」
――あんな顔を見せながら、何故ここで嘘をつく?
「……」
暫しの沈黙。
「……あの、もしかしたらカジカ君に二度と会えなくなるかと思って……その」
「んー、確かに旅には出るけどさ、別に二度と会えないって事はな」
「本当に二度と会えなくなったらどうするのっ!」
カジカの言葉をさえぎって、サユリは叫んだ。瞳にはまたもうねり。
「今、私がどれだけ心配しているかわからないのっ!」
「いや、その……ごめん」
今度はカジカの方がしどろもどろしてしまった。
「二度と会えなくなったら、私、私……」
サユリはその場で一度下を向き、涙をぐっとこらえた。

「カジカ君の事が好きだって言えなくなっちゃうから!」

――カジカ君の事が好き……ん? ……な、なんだって!?

「サユリ……それネタとかじゃないよな?」
「そうだったら泣いたりなんかしないよ!」
こんな失礼な男も珍しい。しかし、カジカとて風貌はモテ要素の塊みたいなものだが、実際に告白なんて高度な話はぶつけられた事がない。内心、対応に困っているのだ。
「オレの事が好き……」
「でも、断られるのが怖くて……いつ言おうかずっと悩んでた……。そうしてたら、いつの間にかこんな事になってしまっ……」
わっと……。
カジカは自分の胸元にサユリを寄せた。そしてぎゅぅっと抱きしめる。
「……カジカ……くん……」
「……サユリ、オレと初めて出会った日の事、覚えてるか?」
「え……なんだっけ……どうやって出会ったんだっけ……」
抱き寄せたままカジカは喋りだした。
「近所の奴らからイジメられてた。サユリはそんときから気が弱かったから格好のいじめられ対象だったんだろうな……。三人くらいかな、よってたかってブスだの可愛くないだの言われてた。オレはそれを見て無茶苦茶腹が立ったんだよ」
なんでだかわかる? 聞き入るサユリに問い掛けた。
「わからない……なんでなの、カジカ君?」
「サユリがスゲー可愛かったから」
気が付けば二人は見つめあっていた。

二人とも頬が真っ赤だ。こんな場面でなければ凍傷と言われかねない。
「あの時、あの時あいつらからサユリを助けてっからだよな……。サユリの事が気にかかるようになったのは……。思えばオレも奥手だったみたいだな。結局、何も言わずにどっか行こうとしたんだし……」
「でも、こうして言い出せて本当によかった……」
「……ホントによかったな。オレも危うく死際に後悔するところだった」
「もうっ! そう言うことは言わないの!」
フフフ、ハハハ……。
二人揃って笑顔をほころばせる。よかった、本当によかった……。


「カジカ君……ちょっと言いにくいんだけど……えと……その」
ん? カジカがサユリを見つめなおす。
「告白ついでに……このまま……思い出作りとか……ダメ……かな」
一瞬、思考を巡らす。
「――思い出作り……また古い誘い言葉だな」
「だって……普通に言うと……その……恥ずかしすぎて……」
胸元から上目遣いで見つめてくるサユリ。――理性の錠がギシギシきしむ。
「普通、好きになったもの同士のセックスなんて当たり前だろ」
「へっ!? 当たり前かどうかなんて知らないよ!」
突然、具体的な言葉を出されたせいか、反論の声がなってない。
――ヤバイ、先走りすぎた。落ち着け、落ち着け……。
「……なんていうか、今のオレ、ブレーキが効かないかもしれない。だから辛かったら辛い、痛かったら痛いって、ハッキリ言ってほしい。……嫌がりながらの思い出作りなんてゴメンだから……」
「……うん、分かった」
――やっぱり、サユリ震えてる。

立ったままじゃなんだという事で、サユリをベッドに寝かせる。
覆いかぶさるように膝立ちするカジカ。
どちらも動き出せず、時が止まる。風の抜ける音が聴こえる。
カジカは覚悟を決めたのか、引かれるように顔を合わせた。
サユリはぎゅっ、と目をつぶった。まだ震えてる。
「大丈夫……相手はサユリの好きなヤツなんだろ」
左手をサユリの腰にそっと寄せ、右手で頬をに触れる。
唇を合わせ、舌を這わせる。サユリも最初は強ばっていたものの、少しずつ、カジカの行動に応える。
ちゅく、ちゅぷ……ぷはっ。
つうっ、と互いに合わせていた部分から透明な糸が繋がっている。
「はあ、っはあ……サユリ」
「はあっ……はあっ……何? カジカ君?」
「……ホントは凄くHだったりする?」
スッパーン!
「なななな、なな、突然、なんて事言い出すの!?」
「痛っ……いや、別に悪気があってじゃなくて……オレから仕掛けていったのに……なんでサユリにのまれてるんだろうかな、って思って」
「べべべ、別にそれはカジカ君の気のせいじゃないの!?」
……ふむ。

サユリの姿をまじまじと眺めながら、カジカは即行で作戦を練る。
――ジャージとスカートの組み合わせ、そして黒のストッキング……やっぱりエロいじゃんか。
多分、もう一人の自分がこの場に居たら殺されてる。
「よっと……」
「え、なに?」
カジカはサユリの後ろに回った。すぐにジャージの裾に手をかける。
「や……」
一瞬、抵抗するそぶりを見せたが、結局、カジカの両手をすんなり受け入れた。
内側からやさしく胸に触れる。
「はぅ……カジカ君……ちゃんと服を脱がせてから……」
「いや、必要最低限は服を脱がさない。さっき決めた」
サユリの何か言いたげな表情を流し、ブラの下に手を通す。
最初は小さな乳房を揉み、それから徐々に先の方、乳首を指でいじりだす。
「はふっ……あ……ふあ……あっ」
「それなりのサイズでもちゃんと感じるんだ」
「……大きさ、気にしてるのに」
怒った顔をしたいらしいが、感じて力が入らないらしく困った顔を見せている。
――やばい、すげー可愛い……。

「首筋とかはどうかな……」
カジカはサユリの首筋に顔を寄せた。
そのままゆっくりと上から下へ、程よく濡れた舌を這わせる。
「ひゃっ、ん……んんんんっ!」
「あ、こーゆのも弱いんだ……オレさ、やっぱりサユリはエロいと思うんだけど」
「……はあはあ……私……Hじゃ……ないもん」
「それなら態度で示そうよ……たとえばこことか」
サユリは気付かなかった。いつの間にかカジカの右手がスカートの中に入ってきてる。
くちゅっ……「んんっ!」
女性器特有の濡れた音がした。ノっておいてなんだが、カジカも初めてだ。驚くものは驚く。
「うわ……すげ……もうこんなになってる……」
「……カジカ君……お願い、脱がして欲しいの……力が抜けて……自分じゃできない」
――!
突然の頼みにカジカは少し戸惑った。
「――わかった」
サユリが仰向けに倒れこむと、カジカは足元に寄ってきた。
――目、つぶっちゃった。
「……頼んどいてなんだけど……やっぱり……恥ずかしい」
「脱がすほうも結構恥ずかしいよ、こういうのは」
スカートをめくり、ストッキングに手をかけ、そのまま丁重に引いていく……。

――やっぱ女の子って……凄いな。
白いショーツには目で分かるほどの大きなシミが出来ていた。
添えられた太ももに、光のはねる液体が残る。
「いい……脱がすよ……」
「……うん」
ショーツの端を掴み、慎重に脱がせていく……。
両足からするっ、とショーツが抜けた。と、同時にサユリの大切な所がさらされる。
――あんまりじろじろ見ないで……。
目で訴え続けるサユリの気持ちを理解したのか、カジカはズボンを脱ぎだす。
最後の布がおろされた。途端、カジカ自身のモノが激しく反り返る。
「っ! わわわわっ!!」
初めて見る実物の男性器に戸惑いを隠せず慌てるサユリ。
「気持ちは分からなくないけど、とりあえず落ち着け」
「だって……そんな大きなもの……ここに入れるなんて……」
「……大丈夫、少しずつ、ゆっくり入れるから……」
なんとかサユリを説得すると、カジカは弓なりに反った自身のモノをサユリの部分に当てつける。
「いくぞ……ゆっくり入れるからな……ゆっくり」
ずっ……ずずっ……
少しずつ、本当にゆっくりと腰を押し進める。
「はぁあああ……」

ズッ。ん?
――先端が何かにぶつかったみたいだ……もしかして。
「――サユリ、ホントにいいんだな。初めての相手がオレなんかで……」
ゆっくり、大きく頷いた。
「私、カジカ君の事、ずっと愛してるから!」
泣いていた。苦しいのか、痛いのか、嬉しいのか、今日最初に会ったときのように泣いていた。全ての感情が混ざり合い、今のサユリの素の気持ちが表情に現れていた。
サユリの気持ちに応えるようにカジカの腰が動く。
プツッ!
瞬間的にねじこめられる痛みを感じた直後、サユリの中で何かがはじける音がした。
「……これで……カジカ君に貰われたんだ……私の……」
「サユリ……」
カジカの顔が近くなる。サユリの顔も近くなる。
唇が触れ合うと、互いの舌を求め合う。明らかに最初のキスとは感じが違う。
ぴちゃぴちゃという音だけでなく、舌同士の密接した音も出るので余計にいやらしい。
「……いいか、動くぞ」
カジカがゆっくりと腰を引く。
「はあああぁぁ……」
ズルル、とカジカのモノが引かれるのと連動してサユリも息を戻しながらあえぐ。
ズブブブ……
「ふうううぅぅ……」
逆に押されると息を出しながらあえぐ。

「サユリ……されてるってどんな感じだ?」
はあはあっ、とあえいでいるサユリに聞いた。
「恥ずかしいけど……すごく……気持ちがいいの……カジカ君は?」
「オレも……凄く気持ちいい……」
徐々に快楽に身を任せ、腰の速度を上げていく。
「もう少しで私、いっちゃうかもしれない!」
「オレもそろそろ限界かも……」
ずぶっ、じゅぷっ、
「ねえ、カジカ君! 抱きしめて欲しいの! ぎゅうってして欲しいの!」
「わかった! 思いっきり抱きしめてやる!」
カジカはサユリを思いっきり抱擁してあげた。
サユリもカジカの背中に手を回し、すがるかのように抱き込んだ。
「なんかおかしいよ! カジカ君、カジカ君!」
「サユリ! サユリ!」
ズプッ!
「ひゃんんんんんん!!!!!」
カジカのモノからサユリの中へどくどくと熱い液体が送り込まれる……。
「はあ……はあ……」
互いのほとぼりが冷めると、もう一度キスをした。
ぷはっ
「カジカ君……ずっと、ずっと……大好きなままで待ってるから」
「サユリ……オレもサユリの事……何があっても忘れない……」

――――

次の日、カジカ君は旅立ってしまいました。
遠い、遠い、どこかの世界へ……。
けれどカジカ君は言いました。
きっと帰ってくる。サユリのためにも、きっと戻ってくるさ、と。
私も待ち続けます。カジカ君が帰ってくるまで……。
だって私は……カジカ君の事が……大好きだから。

小さな、小さな、紙飛行機。
愛しいあの人の元へ……この思い、伝えてください。

どこまでも……どこまでも……。


END

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