いぬ千代たちが廊下を走っていると、やけに明るい光が漏れる部屋が見えた。
何だろう?と、呟こうとした時に、その部屋から誰かが出てきたので
彼は慌てて廊下の角へ身を隠し、そっと顔を出して様子をうかがった。
出てきたのはアゲハだ。なにやらブツブツ呟いて向こうの部屋へと姿を消し
数秒で手になにやら白いものを持って出て来て、明るい部屋へと戻っていった。
いぬ千代はアゲハが姿を部屋へと消したのを確認すると
すばやくその身を例の部屋の入り口へ移動させる。
そして中を覗くと…

「お待たせ〜こんなので良いのかしら?」
蒸しタオルをスミレに投げ渡すと、スミレはそれでMZDのペニスの先端を拭いた。
「つっ…!」
むき出しにされた先端にタオルをこすり付けられ、MZDは顔をゆがめた。

「うあぁっ!マスターが捕らわれてる…!!
し、しかも何か苦しそう!!ど、どうしよう、どうしようぅぅぅ…!」
主人の危機を目の当たりにしたいぬ千代は、
自分の尻尾をせわしなく動かして、おろおろ入り口の前で慌てふためいた。

「た、助けなきゃ…でも、どうやって!?
と、とりあえず少し様子を見てから…」
MZDを救える存在である自分がパニクっていてはいけない、と
いぬ千代は頭を振って冷静さを保ち、もう一度部屋の中をうかがった。

「拭き終わったわ」
「そんじゃ、その次はさっきと同じで口に含んで舐めろですって」
「んー…」
はむっ、とMZDのペニスを銜えてまずは剥かれた亀頭を柔らかな舌で刺激し
吸い上げ、また舌で刺激する。
すると、痛みで萎えていたペニスが再び勃ちあがり、血液が集中してさらに膨張した。
「むぐっ!?」
プハッと息を吐くように口を離すと、スミレは苦い顔をして唸った。
「ん〜…口に入りきらないわよ。黙って大きくしないでよ!」
「無茶言うな…ハァ…」
自分の意志とは関係無しに、身体が反応してしまうのだから仕方が無い。
その事を全く分かっていないスミレに怒鳴られ、MZDは心底哀しくなった。
「口に入らない場合は普通に舐めて良いみたいよ」
「そうなの?睦月君の時は簡単に口に入ったのに〜」
こんな所で己のモノの話題を出されているとは、当の睦月も相当不幸である。
今頃はわけも分からずくしゃみをしていたりして。

スミレが亀頭にキスを繰り返し、舌先を裏筋に滑らせると、
MZDは歯を食いしばってビクッと身体を大きく揺らした。
「ふふふ、感じちゃってんでしょー?」
クスクスと小悪魔的な笑みを浮かべるスミレを睨み、彼はギリ、と歯軋りをした。
「私を14歳そこらの色気の無いガキって言っていたくせにね…」
れろぉ…と、ねちっこく舐め上げられるとさっきまで余裕を見せていた彼も
息が上がってきて顔にも熱が見えてきた。

それでも決して声は出さずにいたが…
「その色気の無いガキ相手に感じちゃうなんて…
どう言う事かしら?ね、カ ミ サ マ …」
「…クソッ…ぅあっ…!」
執拗にまで攻められ、とうとう声を出してしまった。
ガクガクと身体も震えだしてきた。
と、その時─

「…くっ!」
ドクンッ!!
「んっ?きゃぁっ!!」
ビュクッと白濁色の精液が飛び出し、彼女の顔と髪の毛へとかかった。
生ぬるい感触に彼女は思わず首を振って嫌悪の表情を見せた。
「やぁだぁ〜服にもかかっちゃったじゃない!」
服についたMZDの精液を拭いながら、スミレはプンスカ怒ってみせるが
それは無茶な注文というわけで…。
MZDが肩を上下に揺らしながら息を繰り返していると
顎を掴まれてスミレの瞳と向かい合わせにされた。
スミレはニコッと笑顔を見せ
「うふふ…どう?気持ちよかったでしょ?
私の手下になってくれたら、毎日してあげるんだけどなぁ〜…?」
片目をキュッと瞑り、ウィンクを見せる。

だが、MZDは横を向き、鼻で笑って拒否をした。
「どうやら、神はスミレの手下になる気は無いみたいね」
二人を眺めていたアゲハがクスッと笑うと
スミレが彼女を睨みつけ、またMZDへと視線を戻した。
「な、何で〜…睦月君はこれで手下になったのに〜!!」
「それは神が強情なだけじゃない?
ほら、ここに『意地っ張りの彼はこの程度では独占できません』ってあるし」
雑誌をスミレに手渡すと、彼女と入れ替わってアゲハがMZDの前へと腰を下ろした。
MZDは横目でアゲハを睨みつけるが、この状況の彼を恐れる事は無い様で
彼女は両手でMZDの頬を包んで引き寄せると、その唇へ自分の唇を押し当てる。
最初の数秒はただ触れているだけであったが、
アゲハは舌でMZDの口をこじ開け、彼の舌と絡ませる。
「ん…」
ピクリと顔を引きつらせ、反応するMZD。
クチャクチャと口の中の粘膜が絡み合う音が響き
混ざり合った二人の唾液がぽたりと垂れた時、アゲハが口から離れ
頬を包んでいた手を彼の首の後ろへと回した。
「んふふ…」
男を挑発させるように、目を細めてMZDを見つめて
ゆっくりと横で様子をうかがうスミレへ首を回し

「悪いけど…神は私の部下にさせてもらうわ」

クスッと笑ったのだった。

またMZDと深いキスを繰り返し、彼の思考が徐々に鈍ってきた時
濡れた舌で彼の首筋を伝い、鎖骨まで滑らせると
「ひゃっ…!」
ゾクゾクした感覚に、MZDは声を漏らした。
「もっと良くしてあげるわ…」
豊満な胸をMZDの胸に押し当てて、耳元で熱っぽく囁き彼の耳を甘噛みする。
その様子を見て、スミレはゴクリと息を呑んだ。
「な、なるほど…こう言う方法もあるのね!メモらないと!」
どこから取り出したのか、スミレはリング綴じのメモ用紙と
ウサギの飾りがついたボールペンを取り出すと、その様子を鮮明に書きとめ始めた。
「ンな事メモらんでいいッ!!」
スミレの実に馬鹿馬鹿しい行動に思わず突っ込みを入れないと気がすまない。
が、
「ほらぁ、他は放っておいて…」
すぐにアゲハに顔を引き寄せられてまた唇を奪われ
痺れるくらいに舌を吸われると、MZDは力なく柱へと寄りかかった。

「ハァッハァ…い、意外と上手いじゃネェか…」
性格上、弱い部分を見せる事が出来ないMZDは
この状況になってもまだ余裕がある様子を見せる。

だが、これはもはやハッタリ。それを知ってか、アゲハは嬉しそうにパァッと顔を明るくさせた。
「あら、そう?嬉しい〜!もっとサービスしちゃうんだから!」
するとアゲハは背をかがめ、MZDのペニスを握ってペロッと舐める。
MZDは目を瞑り、顎を上げてなるべく気を引き締めようとしたが…

むにぃっ

「ん?」
何か、微妙に少し硬い感触が…
何だ?と思ってMZDが下を見てみると…
「っ!なぁあぁっ!!??」
アゲハがその豊満な胸をMZDのペニスを挟み込み、ゆっくりと擦り付けていた。
「んふふー…これをサイバーにやったら暴れていたのが嘘みたいに大人しくなったのよ?」
「ちょっ…待てアゲハ!マジやめねーか!」
止めろと言われて止める彼女でもない。
胸で擦り、先端を舌でチロチロと舐める。
「っはぁ…くぅ…」
「ねぇ、神?私の部下になる気はなぁーい?」
「ッ!だ、だーれが…はぅっ…」

「…強情ねぇ…」
アゲハはムスッと頬を膨らませると、自分の右手につけたリストバンドを外し
それを外側へクルクル丸めて細い輪を作った。

「これ、どうするか分かるかしら?」
細い輪にしたリストバンドをMZDの前でゆらゆらと揺らすが
彼には良く分からないらしく、荒い息を繰り返してそれを睨みつけるだけであった。
「これはねぇ…こうするの!!」

アゲハはリストバンドを伸ばし、それをなんとMZDのペニスの付け根へと縛り付けた。
「うあっ!?」
一瞬何だ?と驚いたが、彼女のその行動の意味をすぐに知る事となる。
アゲハが愛撫を再開すると、MZDはビクッと身体を震わせて悶絶する。
だが、その顔は快楽に耐えるものととは違っていた。
「は…くっ、うぁっ!」
脂汗が額を伝い、頬へ流れて顎から垂れる。
その顔に浮かんでいるのは…

「ね…何か、めっちゃくちゃ苦しんでない…?」
MZDの様子の変化を感じ、スミレが恐る恐る声をかけると
アゲハが口の端を吊り上げて笑った。
「ふふふ。根元を縛るとね…出せなくなるの。
気持ちよくなりたくても、出せないから苦しいのよ〜」
アゲハは悶えるMZDの頬をなで、そっと呟く。
「ねぇ…苦しいでしょ?外して欲しいでしょ?
だったらぁ…私の部下になるって言ってくれない?」
「っ…!だ、だーれが……」
「あら、そぉ?」
ペニスを握る右手の親指で亀頭をグリグリ擦ると
まるで電流が走ったかのように、MZDは跳ね飛んだ。
「くあっ!あ…つぅ…」


「ああああぁあぁぁぁあぁぁぁぁ…
マスター!一体何をされているか分かんないけどなんて苦しそうに!!」
部屋の入り口で様子をうかがっていたいぬ千代は
またしても部屋の前でオロオロしていた。
だが、
「でも、ボクが助けなきゃ!今、マスターを助けられるのはボクだけだ!
こ、怖いけど…ボクだってポップンマスターズの1人なんだから
ここで勇気を見せなきゃいけないんだ!!」

パンッ!と自分の両頬を両手で叩いて気合を入れ、
ブルブルと身体を振るい、バッと身体を部屋の扉の前へと向けた。


「ねぇ、神ったら…どうするの?ねぇ」
「うはっ!!あ、あ…外せ!マジヤメろ…」
「外して欲しいの?だったら私の部下になるって言って?
ねぇ、言って…」
MZDの耳へ息を吹きかけて挑発するアゲハ。
もう、MZDの理性はほとんど残っているわけもなく
ただ、この苦しみから逃れたいだけの一心だった。
「う…わ、分かっ…」
「何!?ちゃんと言って」
「わ、分かった!部下にな『マスタアアアアァァアアァァァ!!!!!!』

ビリビリと部屋全体が揺れるような叫び声が、MZDの声を掻き消し全員の注意を引いた。
何!?と驚いたのもつかの間で、その声のした方向へ視線を移すと
そこにいたのは─

「い、いぬ千代!?」

うおおおおお、と叫び声を上げて猛然と駆け込んでくるいぬ千代の姿があった。
「マスター!助けに来たよ!!」
と、その時

ガックン

「うえっ?」

バタリ ズッシャー

いきなり、身体のバランスが崩れたと思ったら、彼はそのまま顔から床へとスライディングした。
…どうやら、身体に巻きついていた食虫植物をふんずけてしまって
転んでしまったらしい…
その様子を見て、MZDはポツリと
「…助けに来たんじゃねーのか…?」
一言呟いた。


「いったぁ〜…い…ん?」
鼻をさすりながら顔を起こすと、目の前に誰かが立っている。
その人物を見上げると…
「…あ、貴様MZDのしもべじゃない!!」
スミレがいぬ千代を見下ろしながら、彼の胸元を掴んで起き上がらせた。
「あわわわっ!ら、乱暴は良くないよ!!」
じたばた腕を動かして暴れるいぬ千代を掴んだまま、スミレはアゲハへ問いかける。
「ねぇー。コイツどうする?船の外に捨てておく?」
「いやー…その子も洗脳しちゃわない?
神のしもべも部下にしちゃうのも都合がいいし!」

「なっ…お前ら!いぬ千代たちには手出しするな!オレだけで充分だろ!!」
だが、そんなMZDの言う事など聞くはずもなく、スミレは
「ふふん。さぁ、こっちに来なさい」
グイッといぬ千代の胸元をさらに強く引っ張って無理矢理連れて行こうとして…

ペチャ

胸元の掴む手に、何か不快な感覚が…
「ん?何…    !!!!!!」
スミレが見たもの。ソレは─


「………キャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!
カエルーーーーーーー!!!!!それにカタツムリーーーーーーーー!!!!
いやあああああああ気持ち悪いーーーーーー!!!!!!!」


引っ張られた衝撃で、いぬ千代の胸ポケットから飛び出したKaeruとカタツムリが
スミレの手の上に乗っかっていたのだ。
スミレはパニック状態に陥り、ブンブン腕を振っていぬ千代を振り払う。
「え?何々!!??」

スミレの只ならぬ状態を目の当たりにし、思わずMZDへの注意がそれたアゲハの隙を突き、
P-catがMZDの腕を縛ってたロープを噛み切り、彼の膝の上へ乗っかった。
「P-catまで!お前ら全員で来やがったのかよ…」
MZDはズボンを上げながらそう言うと、しもべたちが自分をどれだけ想っているのか嬉しくなり
つい、頬の筋肉が緩んでしまった。

「キャー!キャー!キャー!!!」
「ちょっと落ち着きなさいよ!!」
暴れるスミレの肩を抱き、アゲハがなだめているその横では
腰が抜けて動けなくなったいぬ千代へ駆け寄るMZDの姿が。
「おい、大丈夫かいぬ千代?」
「あ!ま、マスター…ご、ごめんなさい!
いいつけ、守れなくって…」
いぬ千代は尻尾を垂らし、プルプル身体を小刻みに震わせて目に涙を浮かべた。
「10時のおやつ一日抜きの刑でも、2時のおさんぽ一日抜きの刑でも
何でも受けるから許してください!ごめんなさい!!」
「おいおい…何言ってんだよ…お前のおかげで助かったンだゼ?」
ポン、といぬ千代の肩を叩き、いつものような小生意気な笑顔を見せる。
するといぬ千代はほっとしたように笑顔になり、涙を拭った。
「…と、アイツらはまだこっちには気がついてないか…
おい、いぬ千代耳かせや」

「え?何?」
MZDへ顔を近づけると、ごにょごにょと何かを耳打ちされて
いぬ千代はコクン、と頷いた。

「よっしゃ、じゃ、頼むぜ?」
MZDは床に落ちたサングラスを装着すると、ふわりと身体を浮かせて
アゲハとスミレの上を飛んだ。
「キャーキャーキャー……あぁっ!!!」
「何?どうしたのよ?」
「神が!!」
正気を取り戻したスミレが指差した方向には、
今まさに部屋から逃げようとしているMZDの後姿があった。
「あぁ!逃がさないわよ!!!」
「お前たち!追うわよ!!」
「キュー!!」

MZDが廊下へ出たとき、スミレとアゲハたちが追いついた。
「待てMZD!!神であるお前が勝負を捨てて逃げると言うのか!」
ビシィッ!とスミレが指差すと、MZDはやれやれと言った表情で肩をすくめた。
「いんや?もう勝負はついているしぃ〜?」
「ついている…?何を言って…」
スミレの言葉を遮るように、MZDは人差し指でちょちょぃと床を指出した。

「…ここがドコだか分かるよな…?」
「分かる…?ここは私の宇宙せ…………  あ………」
アゲハの顔が、サァッ…と青ざめた。
「…?何?何なのよ?」
まだ分からないスミレが尋ねると、アゲハがMZDの足元を指さして
その方へと目を移すと…
「…あ」
彼の足元には、しっかりと影が出来ていた。
そう、MZDが無力でいたのはあの光の部屋で捕らわれていたため。
あの部屋では影を作り出すことは出来ず、彼の力の象徴であるオプションの召還が出来なかった。
だが、部屋から出てしまえば……あとは説明不要であろう。
「へ、部屋に戻っ…!」
スミレが叫んで部屋に戻ろうとした時、シュン、と空気の切れる音と共に
部屋の扉が目の前で閉められた。
扉の横で、操作パネルに手をあてているいぬ千代と目が合うと
彼は
「あ、ご、ごめんなさい」
と、恐縮しながら言ったのであった。

「時にいぬ千代?」
固まるスミレとアゲハの背後で、MZDがゆらりと浮いた。
「はい?何、マスター」

「今…何時だか、分かるか?」
「え?えーっと…6時13分!だけど…?」
腕時計で時間を教えると、MZDは大きくため息を吐いた。
「ハァ…そうか、6時過ぎか……
ギャンブラーZ、終わっちまったか…クックックックック…」

ニヤニヤ笑うMZDの足元で闇がうごめいて、ゆっくりと人へと形を作り
彼と同じ笑みを浮かべた人型の影が彼の身体に絡まる。
スミレとアゲハは互いに抱き付き合い、ガタガタ震えながらその様子を凝視するしかなく…

「どうしてくれっかなぁ〜?」

パチン!と指を鳴らすと、グワッ!と影が二人に向かって襲い掛かった。

キャーなどと甲高い声が、町の夕日に染まってはやがて消えた。




「なぁなぁ、駐車場の所で…」
「え?本当?自分が来たときは無かったのに」
「見てこよーぜ!めっちゃ笑えるから」
香ばしい香り漂う空間の一角で、そんな会話をしていた
腕が7本の見た目はタコに似ている姿をした男二人が
席から離れて駆け出した。
その時、1人の少年とすれ違ったのだが、二人は気が付く事もなく
その場から姿をけした。

星の光が一番輝くその場所を指定席としている青年は、
その時もその場所でコーヒーを片手に本に夢中になっていた。
「ふむ…なるほど、なるほど…」
「なるほどなるほど…じゃ、ねーぞ、コラ」
いきなり自分の横から話しかけられ、彼は首を回して横を確かめると…
「おや…MZDではないですか」
にこやかに笑みを返した。
「おやじゃねーよ、おやじゃぁ〜。
テメー、よくもあの二人に変な事吹き込んでくれたな?ウォーカーさんよぉ」
MZDはウォーカーの隣に空いた椅子に腰かけ、足をテーブルの上に乗っけて
ムスッとした表情でウォーカーを睨みつけた。
「変な事…?あ、あの本のことでしょうか?」
「そーだ!おかげで偉い目に遭ったぜったく。
…っつーかさ、テメーあの本がなんだか分かってなかっただろ…」
横目で睨みつけると、ウォーカーはまたにこやかに微笑んで
「えぇ。知りません」
と、返した。
「ただ、男性を手玉に取るとかそんなことは分かっていたのですが…
内容が全く理解出来ませんでした。あれは一体何でしょうか?」
「あー…いや、知らんでいい…」
MZDは苦笑しながら手をフルフルと振った。
ウォーカーは土星人間だ。ゆえに地球人の生殖方法などは良く分かっていないらしい。
「しかし、その様子ですと、あの二人に手玉に取られそうになったのですか?」
「あぁ、さすがのオレもちょっとヤバかったゼ。
ま、何とか切り抜けられたし、あの本も没収!ついでに同じのを
全部買占めしたりしてまぁ大変だったんだぞ…処分は季節外れの焼き芋大会。
この季節になると芋も高くって参ったゼ」

「はははは。それは大変でしたね」
「テメーのせいだろがッ!!!!」
のほほんと笑うウォーカーに、正直、MZDは勝てないと思った…

「所で─
なにやら外が騒がしいようですが…何かあったのですか?」
ウォーカーが外の様子をガラス越しに眺めていると
駐車場の一角で人だかりが出来ている。
すると、MZDがココアを飲みながらニヤッと笑った。
「あぁ、ちょっとな…オブジェをな、置いてみたんだ」
「オブジェ?」
「そ、すんげー面白ェオブジェ」

「おのれMZDめ!!!こ、こんな屈辱受けた事無いわッ!!」
「ちょっと見ないでよ!あっちいってよー!あーん!お姉さまー!助けてー!」
宇宙人たちが集まっているその場所に置かれたその『オブジェ』は
MZDの影の力によって動きとを止められ、
イヤミの『シェー』のポーズを取らされたスミレと
ビートたけしの『コマネチ』のポーズを取らされたアゲハであった。
笑う宇宙人たちに混ざり、遠くの場所でその様子を眺めている1つの宇宙船があった。
薄暗い宇宙船の中、双眼鏡を使ってスミレとアゲハたちを眺め
その人物はフルフルと身体を振るわせた。
「う、う…流石MZD……あの二人までも倒してしまうとは…
でも、ワタシは違う…ワタシはあの二人よりも力もあるし、
何より…この身体があるわ…」
その時、宇宙船の前を一筋の流星が通り、その人物の姿を浮き上がらせた。

青白く浮かんだ豊満な身体を強調させるようなレオタード。
長く細い四肢でその身体をくねらせ、ウェーブのかかった長い髪が
一瞬ちらつく。顔には美しい瞳が一つ存在し、もう片方は眼帯で隠されている。
頭には正三角形の耳が二つ生えており、腰には長い尾っぽがユラユラと揺れている。

「このセクシーキャット様が…相手になってあげるわ…」


「〜〜〜〜っきしッ!!」
MZDはくしゃみをすると、ブルッと身体を震わせて鼻を吸った。
「何か、くしゃみと寒気が一気に来たゼ…」
「おや?風邪ですか?」
2杯目のコーヒーを片手にしたウォーカーが心配そうにMZDを眺めた。
「さぁ?何か、スッゲー…嫌な予感がするんだけどよォ…」

MZDは首を捻り、カップを掴んでココアを一気に飲み干した。

後にまた降りかかる己の惨劇などまだ知らずに…


「フフフフフ…どうやって可愛がってあげようかしら〜♪」


<終>

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