第1話 「ユキ」


<プロローグ>

ホール全体を轟かせるようにフルボリュームでダンスミュージックが流れる。
低音で響くリズムに合わせて幾人かの少女達が舞い、それぞれが自らの肉体を駆使して見る者を魅せつける。
ホールの熱気は徐々に高まっていき、やがてステージはクライマックスを迎える…のだが。
「はい、お疲れ様でした!」
断ち切るように音楽が止まり、今まで目いっぱいに躍動していた身体は揃って動きを止めた。
少女達は肩で息をしながら、緊張した表情で審判を待った。
「49番と78番、83番、95番……お疲れ様でした、また次回頑張ってください」
無慈悲な宣告を受け、その場で呆然と座り込む者、すすり泣きタオルで汗と共に涙を拭う者、無表情で立ち去る者などそれぞれであったが、反対に次の段階へ進む者たちはみな一様に黙ってその場を離れクールにふるまう。
「はい、次の組!」
控えていた少女達が入れ替わりにステージに上ると同じ曲、同じリズムが繰り返して鳴り響き、その度に同じ光景が繰り返される。

ここは『神』と称されたプロデューサー、MZDの主催するオーディション会場。
都内のシティホテルを全館借切って行われる、応募者数も書類選考の時点で五千人を超える国内最大規模のオーディションだ。
多くの少女達が『神』の目に留まり、栄光を掴むために全国から集った。
現在、ホールで行われているのがダンスでの『表現審査』である。
既にこの時点で応募総数の9割以上が落とされ、今またその半数以上が篩いにかけられようとしている。
緊張が充満するホールの中、去っていく脱落者たちと生き残った者たちを観察するように冷ややかに眺める少女がいた。

<第一話 ユキ>

彼女の名はユキ。 ナンバーは52番、先がはねたショートヘアに猫科を思わせる眼でやや童顔だが、
レオタードに包みこんだダンスで鍛え上げてある肢体は見事にしなやかで艶かしい。
ルックス、声、ダンス…彼女は誰が見てもこのオーディションにおいて合格候補の筆頭であり、
今日のようなダンスの審査で同じ組になった者は自分の不運を呪った。

当然のごとく彼女は生き残り、余裕の表情で控え室へと戻っていった。
控え室の中では、ユキと同じく次のステップに進む少女たちが、緊張から解き放たれ意気揚々と嬌声を上げながら着替えをしていた。
そんな中、ユキはわざと周りに聞こえる声で『大きな独り言』を言った。
「……ダンス審査がこんなレベルだったとはね……がっかりだわ……」
とたんに静まり返る室内…ほとんどの者は無言で早々に着替えを済ませその場から退散した。
ユキは、たった一言で大きなプレッシャーを周りに与え、戦意を消失させることに成功したのだ。
「…んふふ……」
ユキは含み笑いをしながら、明日の歌唱審査も大した事ない、と思った。

その時、ばたんと大きな音を立てて控え室の扉が勢いよく開いた。
「やぁだ! わたしってばぁ…なまらはんかくさっ!」
黄緑色のジャージを着た女の子が、大声を上げながら飛び込んできた。
言葉に北の訛りがあるが、白い肌と人懐っこそうな大きな瞳が印象が残る可愛い女の子だ。

騒々しいとユキは眉を顰めてジャージ娘を睨む。
「もお…完全に遅刻っしょー…やっくぅい…!」
彼女は独り言を言いながらゴム紐を口に咥え、鏡の前で慌てながら長い髪をアップにまとめる。
睨みつけるユキなど完全に視界に入っていなかった。
そして彼女はジャージの胸の部分に318番と記入されたプレートを付けると、鏡の中の顔をじっと見つめ、自分の頬をぱちんと両手で叩いた。
「よおしっ! けっぱるべさ!」
そのままジャージ娘は、ばたばたと足音をたててホールへと走っていった。

「………なぁに…? あいつ?」
完全に無視されたユキは呆然として見送った。
MZDのオーディションと言えば芸能界最高峰への近道。
だからこそ競争も激しく、全国から桁外れの高レベルな者だけが集まる……はず…。
「ふん、どこの田舎者か知らないけど…あんなんじゃ無理ね……」
ユキは彼女にさして興味もなく呟くと、上着をはおり控え室から出ていった。

オーディション参加者、各スタッフなどの関係者は、会場であるこのホテルで最終日まで寝泊りする。
ユキは関係者宿泊用フロアの廊下を慎重に誰にも気づかれないように歩いていった。

ある扉の前に立ち、ユキはノックをした。
すると中から、どうぞ、と一言返事があり、ユキはそっと扉をあけた。
部屋の中では、忙しそうにデスクでノートPCのキーを叩くアイスがいた。
若き一流プロデューサーである彼もまた、今回のオーディションにMZDのサブとして参加していた。

アイスはユキを見ると動揺して、すぐ部屋に入れと慌てて手招きした。
扉が完全に閉じたことを確認してアイスは小声で囁いた。
「もう来ないでくれって言ったろ?……部屋に入るところを誰かに見られたら……」
「大丈夫よ…廊下には誰も居なかったわ」
ユキは妖しい微笑をうかべ、ぎしっと音をたてて傍のセミダブルベッドに座った。

「…何しにきたの? 今、忙しいんだけど……」
アイスはノートPCに向き直るとキーを打ちながら、ユキには目線を向けずに言った。
「お礼を言いに来たの…おかげで今日も生き残れたわ」
「……僕は何もしていない……お礼を言われる筋合いもない……」
冷たく告げるアイスの後ろから、心地よい官能的な香りが漂った。
「……? …な!?」
振り向くとアイスのすぐ目の前にユキの豊かな胸があった。
ユキはアイスの座っている椅子の背もたれに両手をつくような形で立っていた。
レオタード地からのしっとりとした汗の香りがアイスの鼻腔をくすぐる。

「…お願いがあるの……52番と233番、462番の子……明日、落としてくれない?」
戸惑うアイスを見下ろしながら、潤んだ瞳でユキは下唇を舐めてみせた。
「あ……だ…だめだ! …そんなこと… んぐっ!」
彼女の無茶な要求を、毅然として断ろうとした口がユキのたわわな胸に押し付けられる。
むっとくるような女の香りに、くらっと眩暈がした。
「ねぇ…お願い聞いてくれたら…昨日の続きしてあげるんだけどなぁ……」
アイスはユキの身体を押しのけた。
「やめてくれっ!」
押されてベッドに突っ伏したユキは顔を上げながら言った。
「どうして? 昨夜はあんなに…わたしに夢中になってくれたのに?」
その一言で、アイスの脳裏に淫靡な昨夜の記憶が蘇った。
「…もうやめろ! こんなことしなくても、君は実力で充分戦えるから!」
自らの痴態の記憶を振り切るようにアイスは声を荒げる。

「んふ…わたしは……自分の持っている武器を最大に使うだけ……んふふっ」
そして唇の端を少し上げて笑う、その妖艶な笑顔は17歳とは思えない。

少年のような風貌を持ち、芸能界に居ながらも音楽一筋であった初心(うぶ)なプロデューサーは、何歳も年下の娘に何も言い返せずに唾を飲み込んだ。
「…お願い……不安で押し潰されそうなの……明日、落とされたら…って考えたら……」
すがりつくような表情でユキの顔はアイスの顔にに近づいていく。
思わずアイスの心臓がどきんと高鳴る。
「アイス…あなたしか頼れるひとはいないの……」
ユキはアイスの頭に両手を添えると、その唇にむしゃぶりついてきた。
「や…らめっ……んぐっ……」
アイスは精一杯の抵抗を試みるが、もう腕に力が入らない。
ユキの舌がアイスの粘膜を貪る。
「はぁ…はふ…んっ…」

そして、アイスの中で何かがはじけた。
もうアイスは逃げなかった。 ユキの背中に手をまわしお互いの唾液を啜りあう。
二人は唇を離さずにそのままベッドに倒れこんだ。
舌を絡めあいながら、レオタードごしにアイスの掌がユキの乳房を愛撫する。
「あぁん……あ…はぁ…はぁ……」
ぴくっとユキの身体が反応し、甘い声を出す。
ユキはアイスのスラックスのジッパーを下ろし、そっと下着の上から性器に触れた。
「すごい…もうこんなに……」
アイスの性器はユキの掌を押しのけるほど張り詰めていた。
軽く握ると熱く、力強く脈打っている。

「はぁ…はぁ…ユキ……あれ…あれやってよ……」
アイスの目はもうすっかり潤み、ほんの5分前まで見せた、色に惑わされない毅然とした態度などすっかり何処かへ消え失せていた。
「わかった……」 ユキは上着のポケットから透明なローションの入ったボトルを取り出した。

ユキは、そのローションを手にたっぷりと取り、両手を揉み合わせて充分に粘らせた。
このローションは見た目はどこにでもある透明な美容液の様であるが、海藻エキスとヒアルロン酸、コラーゲンなどが通常の10倍以上入った特注品で、手に取るとぷるっとまるでゼリーのような感触だった。
アイスは待ち切れないように、既に自らスラックスと下着を下ろしていた。
天井にむかって直立するアイスの性器をユキの右手が包み込む。
にゅるっ……とローションが絡みつき、液体の冷たさが真っ赤に充血したペニスを冷やす。
「…うあああっ…! こ…これ、いいっ!!」
アイスは泣きそうな顔で歓喜の声をあげる。 身体のあちこちが痙攣をする。

「アイス…動かすよ?」
ユキは右手を上下に振る。 動くたびに、にゅっにゅっにゅっといやらしい音が聞こえてくる。
「はああぁっ! だめえ…きもちいい……きゅぅうんっ!」
アイスの口はだらしなく半開きになり、涎が一筋、頬を伝っていた。
にゅにゅにゅにゅっ…と音のテンポが速くなっていく。
アイスはおぼつかない手つきで、ユキのレオタードの肩紐を下げると形のいい乳房が零れ落ちる。
彼は乳房の先を夢中で吸い、舌で転がした。
「やぁんっ! アイス…そんなに舐めたら、ちゃんと動かせないよぉ……」
すっかりローションでぬるぬるになったアイスのペニスを、きゅっと少し強く握るとアイスは乳首から口を離した。
「うあぁ…ユキ…ユキ……もっと…もっと……すごくいいんだ……」
半分意識が無いような恍惚状態でアイスは更なる刺激をせがんだ。

「なら……さっきのお願い聞いてくれる?」
はっと、アイスの目に輝きが少し戻る。
「そ…それは……」
ユキは上目遣いで見つめながらアイスの性器を指先で弄ぶ。
「ねえ……聞いてくれたら…もっとすごいことしてあげるのに……だめぇ?」
「も…もっとすごいこと……」
アイスは鸚鵡返しに答え、また唾を飲み込む。

「ちょっとだけしてあげる……」
そう言うとユキは自分の両足の土踏まずにローションをたっぷりと塗りつけた。
そしてアイスのペニスを足の裏で挟み込むと上下に動かしはじめる。
「ぅあはあああああっ!!」
アイスはびくんびくんと激しく痙攣した。
今まで経験したことのない締め付けの激しさと、かつてない被虐感は完全に彼を叩きのめした。
押し寄せる快感に、必死でシーツを掴んで耐える。
「…どう? 痛くない? きもちいい? ほら見て…見てぇ!」
ユキは180度開脚した股間を覆うレオタード地をひっぱり、割れ目に食い込ませた。
食い込ませた布地に淫らな染みが拡がる。 それを目の当たりにしたアイスの興奮も頂点にさしかかった。
「はあ…はあ…みえるよお…ユキのあそこもべとべとになってる…んはあっ!」
「わたしも…き…きもちいいのぉ…!」

アイスの上半身は悶絶してベッドの上をのた打ち回った。
「うあぁあああっ! ユキ…もっと! もっとぉ!」
その時、ユキの表情が一変して、アイスを鋭い目線で睨みつけた。
「だったら…あいつらを落として! じゃなかったらここでやめるけど……?」
ベッドの上に立ち上がったユキは、アイスのペニスを踏みつけるようにして摩擦を加える。
「…わかった……わかったからぁ……! お願いぃぃいぃ…やめないでえぇぇ!!」
アイスは首をがくがくと上下に頷かせて、涙声で哀願した。
「ふん、ほら逝きな…」
ユキは完全に『堕ちた』ことを確信すると、肛門と睾丸の間にある前立腺のあたりに踵をぐっと踏み込んだ。
「んああぁはあぁあぁぁッ!」
アイスは泣き叫ぶと、白目を剥いて頭からつま先まで硬直した。
そしてペニスの先からおびただしい量の精液が噴き出る。
雫が撥ねてユキの顔に付着する。 ユキはそれを汚らわしげに手の甲で拭った。

「あ…あ………あ……あ……」
まだアイスは虚ろな目つきでぴくぴくと痙攣し、こぷっこぷっ…と精液がペニスの先からいつまでも滴り落ちていた。
ユキはさっさとレオタードの乱れを整えると部屋から出て行こうとしていた。
「じゃあ…アイス、約束守ってね♪」
ついでにデジカメで無惨なアイスの姿をファインダーに収めると彼女は廊下に出ていった。

エレベーターで参加者用の宿泊フロアにたどり着く。
自室にむかう途中、ボストンバッグを抱えて出て行くルームメイトとすれ違った。
「あら、お疲れ様…今日で帰るんだ? せっかく仲良くなれたのに残念ね……」
「…ユキちゃん…私の分もがんばってね……」
今朝まで同室だった少女は無理に笑顔を作ったが、目に涙を浮かべながらエレベーターに向かって去っていった。
実は彼女は、前日の夜にユキがアイスに『落選希望』していた数人の内の一人だった。
「ま・け・い・ぬ」
去っていく彼女の背中に小声で呟くと、やっと一人部屋になれたことを喜びながら廊下を進んだ。

鼻歌を歌いながらユキは自分の部屋の扉を開けた。
しかし…最終日まで一人でゆったりと過ごせると思っていた彼女の思惑は簡単に裏切られた。

「あ…はじめましてぇ、わ、わたし今日からこの部屋になったさぁ、したっけ、よろしくべさ!」
部屋の奥に居たのは…あの遅刻ジャージ娘だった。

「あ…、あ、よっ…よろしくね……」
突然の同室者に戸惑い、ユキはぎこちなく挨拶した。
「ゃいやぁ♪ わたし318番の『モエ』さいうんだわぁ! これからオーディション、お互いにはっちゃきこいていぐべ!!」
もえ、と名乗った彼女は満面の笑みで右手を差し出してきた。
つい勢いで、ユキは思わず握手してしまった。

…なんで?……なんでこいつがいるの??……

<続く>

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