第3話


「ふわああぁぁあ…」
時計の針はちょうど午後二時をさしている。 昼食を摂ってから一番眠くなる時間だ。
僕は居眠りしそうになるのを堪えながら、単調な伝票の計算を続ける。
だが…だんだん数字が何重にも見えてくる。 首の関節がかっくんとなる。 慌てて上体を起こす。
さっきからずっとこの繰り返しをしている……ねむ…い……

「さ・と・う・く・ん」
「うわっ!」
そんな僕の両肩を、いきなり誰かが後ろから鷲掴みしてきて僕は飛び上がった。
おかげで眠気は吹き飛んだが、そのかわり寿命が縮んだ気がする。
「んもう…居眠りなんかしちゃって…たるんでるぞっ♪」
振り向くと二年先輩であるモモコさんが微笑んでいた。
「あ…すみません…! モモコ先輩…」
モモコさんと目があうと、なぜか僕の顔は熱くなってくる。
「ほんっと毎日、眠そうな顔してるよねぇ…夜更かししすぎなんじゃなぁい?」
僕の肩をもみもみしながらモモコさんは聞いて来た。
「…いや…あの…その……」
実は、ししゃもが人間になってから毎晩、散歩に付き合ってる。
いくら猫が夜行性だといっても、無防備な女の子の姿で深夜に歩き回るのをほっとくわけにはいかない。
でも…話しても信じてくれないよなぁ。

僕の顔がますます赤くなる…さっきから後頭部にモモコさんの胸がぽよぽよあたってるんだよな…
「ま、詮索はしないけどぉ…ほれ、入れてきてやったぞ」
モモコさんはコーヒーの入った僕のカップをデスクに置いた。
「あ、ありがとうございます」 僕はぺこりと頭を下げた。
そのとき少し離れたデスクからモモコさんを呼ぶ声が聞こえてきた。
「はーいv すぐにいきまーす! …(小声)チッ…気安く呼ぶなよハゲ課長…んじゃね!」
そう言ってモモコさんは、ぱたぱたと急ぎ足で課長のところへ行ってしまった。
「…さて…やるか…」 後頭部に残るモモコさんのバストの余韻にひたりながら僕は仕事を再開した。
そして、コーヒーカップを持ち上げると下から折りたたんだメモが出てきた。
「…ん? なんだコレ?」 
『今夜ひま? おねがい! おごってv』

「すみません! 遅くなりましたッ!」
急いだのだがやっぱり定時に間に合わず、約束のカフェに一時間遅れで到着した。
「んもう! こんな日ぐらい仕事なんかさっさと切り上げなよぉ…」
そう言ってモモコさんはほっぺを膨らませる。 テーブルの上にはすでにワインのボトルが何本も空いていた。
「すみません…(もうこんなに飲んでる…)」
そして僕がテーブルにつくとモモコさんがグラスにワインを注いでくれた。
「とにかく、おつかれ♪ かんぱーい!」 「お…お疲れ様です…かんぱぁい…」 二人のグラスがカチンと鳴った。

それから二人で楽しい時間を過ごした。
モモコさんは絶えず明るく笑ったり、面白い話をしてくれる。 僕もひさしぶりに大きな声で笑った。
「…でも良かった…佐藤くんが元気になって…」
「え…? どうしてですか?」
「ほら…あの大失敗から…なんとなく元気なかったし…心配だったんだぞぉ…ひっく…」
かなり飲んでモモコさんはすっかりできあがっている…。
でも心配してくれていたなんて…嬉しいな……アルコールのせいじゃなくても顔が熱くなっていく。
「さとうくん…まさか…かのじょでもできたの…? ひっく…」
「ままままさか! 彼女なんて…いませんよ…」
一瞬、ししゃもの顔が浮かんだ。 今は人間の姿だけど…飼い猫であることは変わりはない。
「ほんとぉ…? じゃ、もっともっと飲んで! ほらほら」
モモコさんが休みなしにワインを注いでくる……だんだん…僕も…酔ってきた…
「ふぁい…せんぱぁい…もぉのめませぇん…ひっく…」
だめだ…目が回る…

「…あれ? なんだここ?」
気がつくと見知らぬ部屋に居た。 薄暗い間接照明、広いベッド、枕元にたくさんスイッチがある…
シャワーを使っている音が聞こえる。 音の方を見ると曇りガラスに女性の裸体がぼんやり見えた。
「…あわわわわ…ま、まさか…ここって……」
うろたえているうちにシャワーの栓を閉める音が聞こえ、曇りガラスのむこうのシルエットがバスルームから出ようとしていた。

バスルームから出てきたのは…バスタオルをスレンダーな身体に巻きつけたモモコさんだった。
「起きた? しょうがないなぁ…お酒弱いと女の子にモテないよぉ…♪」
「せ・せ・せ・せ・せんぱぁい! なんて格好してんですか!」
僕の隣にモモコさんが座ると、濡れた髪からのシャンプーの香りがして鼻腔をくすぐる。
「佐藤くんかついで汗かいちゃった…佐藤くんも浴びてきたら?」
「あの…あ・あの…迷惑かけてすみません…」 僕はどうしていいかわからずうつむいた。
「…んふ……佐藤くんって…かわいいv」 モモコさんは僕の腕に腕を絡めて、僕の肩に頭をこてんと乗せる。 
僕の腕にモモコさんの豊かな胸が押し付けられてシャツ越しでも柔らかさが充分伝わる…。
「あ…あの…モモコせんぱい……」 「なぁに……?」
「…湯冷めしますよ……」 
ばしっ! 「はうあっ!!」
モモコさんは僕の頭を平手で思いっきり張った。
「んもぅ…ムードないんだから! 昔、女の子口説いたことぐらいあるんでしょ?」
「…いえ……あまり…ないです……」
「え?…まさか…童貞くんじゃないよね…??」
それは僕にとってのコンプレックスキーワード、まさに秘孔をつかれた思いだった。
「…………」 僕は真っ赤になってちっちゃくなる…恥ずかしくて死にそうだった…。
モモコさんは、そんな僕の顔を手で持ち上げて見つめる。「…んふ……」モモコさんの唇が僕の唇に重なる…。
「…ちゅ…んっ…んっ…ちゅ…」 モモコさんの舌が僕の口に侵入してくる。
「もっ…もも…こへんふぁい……んぐ…」 「こら…キスの最中に喋らないの……」

もう一度、唇を重ねる…モモコさんの唇って…やわらかくって…甘い匂いがする…
「んっ・んっ…ん…ふ…ちゅっ…ちゅぱ……ん……ぷは…はぁ…はぁ…」
モモコさんは僕の唇に舌を滑らせながら僕の手をつかんだ…そして、その手をバスタオルの中の胸に連れて行く…
「んっ…あぁん…」 僕の手のひらにぽよんとやわらかい感触が…モモコさんはせつない声を出した。
モモコさんのおっぱいは大きくて僕の手のひらに収まらない…ししゃもの胸より大きい……
「…どうすれば…いいんですか…?」 かすれた声で聞いてみた。
「やさしく…もんで……んんっ…そう…すごく上手……」 僕は指先まで全神経を集中して揉む…
「ああんっ…あんっ…そうっ!…感じちゃう……あんっ…ねぇ…チュゥして…」
僕は夢中で唇に吸い付く…胸を揉みしだく…モモコさんは甘い声をだす…そして僕のネクタイを解き、シャツのボタンをはずした。
僕は手を震わせながらバスタオルをはずした。 モモコさんの白い肌が全てさらけ出される。
「モモコせんぱぁい…きれいです…」 「あは…ありがと…佐藤くんも…全部脱いでよ…」
僕は言われるがままにスラックスのベルトに手をかけた…でも、そこで動けなくなった。
「……どうしたの?」 「先輩…僕…モモコ先輩に憧れてます…でも…僕なんかが相手でいいんですか…?」
するとモモコさんは僕の顔を胸に押し付け…そのままスリーパーホールドの体勢になりキリキリ絞めてきた。
「佐藤くん…ここまできて…ツベコベ言わないの!」 「ぐぉ…は…はひ…すびばせん…」

すばやくモモコさんはスラックスのチャックを下ろし、中に手を滑り込ませた。
「うっ…!」 大事な所を初めて異性に触られて…思わず声が出てしまった。
「…佐藤くん…すごぉい…こんなにかたくなってる…いやらしい…」

「ごっ…ごめんなさい…くぅっ…!」 モモコさんの細い指が僕をきゅっと握る。
カチャカチャとベルトをはずす音が聞こえ、モモコさんは僕の下着ごとスラックスを下ろし始めた。
「ぁあっ…せんぱぁい…恥ずかしいです…」 
しかし、モモコさんは躊躇せずスラックスを脱がせ、僕を丸裸にしてしまった。
「んふふ…どうしたの?…こんなにおちんちんかたくしちゃって……」
モモコさんは子供のように僕のペニスを弄ぶ…僕は胸の辺りがせつなくなってきた…
「それに…こんなに真っ赤になっちゃって…わかった…恥ずかしがり屋さんなのね…」
そして、モモコさんの舌が根本から先端までつつーっと走る。 「あぅっ!…せんぱぁい…!」
「恥ずかしいけど隠れる所ないんだ……んふ……じゃあ、お姉さんが隠してあげる…」
そう言うとモモコさんは僕のペニスをぱくっと口に含んだ。 「せ…せんぱ…あ…あぁ…ひ……」
ぬるっとしたものが僕のペニスにまとわりつく…シーツをぎゅっとつかんでしまった。
ちゅぷっ…ちゅぷっ…れろ…ぴちゃ…
モモコさんはおいしそうに僕を根本までしゃぶる………これが…フェラチオ?
「…あぁ…くぁ……せん…ぱぁい……もう…ゆるして…くださぁい……」
こみ上げてくる…感覚……これ以上……耐えられない…
だが、モモコさんは先っちょをぴちゃぴちゃアイスキャンデーのように舐めながら、楽しそうに僕を見ている…
「んふふっ…我慢しなくていいのよ…」 ぐぷっ…ぐぷっ…ぐぷっ…ぐぷっ…!
モモコさんの頭が早く上下する……だめです…!……出ちゃいますよぉ…!!
ぐぷっ…ぐぷっ…ぐぷっ…ぐぷっ…!
「せ…せんぱぁいッ! もおだめです! 出…でちゃああああうっ!!!」
どぷっ!ぴゅぴゅぴゅっ!!

僕は…モモコさんの口の中に放出してしまった…。 腰の辺りがぴくぴくっと痙攣する…。
我に返った僕は枕もとのティッシュを数枚取り、モモコさんに差し出した。
「せんぱい…これに…出してください…」
しかし、モモコさんはまだ僕のペニスから口を離さない…。
「んぐ…んっ…ごく…」 モモコさんの喉が音を立てている。
「…ぷはぁ…飲んじゃうの好きなの…」 モモコさんの口元に液体が一すじ光る。

モモコさんは膝立ちになると僕にキスした。 ちょっと変な味がする…もしかして僕の味…?
そして、さらに僕のペニスを手でしごく…さっき出たばかりなのに…またかたくなっていく…

「…今度は…二人で気持ちよくなろ…? ね?」
そう言ってモモコさんは仰向けになり、僕の体を上にした。 そして二人でぎゅっと抱きしめあった。
「佐藤くぅん…わかる…?」 「あ…はい……」 僕はモモコさんの中に入ろうとするけど…
「…あ…?」「うぅん…もっと下ぁ…」「…え…と…?」「ん…惜しい…」
焦れば焦るほどうまくいかない…。 結局、モモコさんが手で入り口まで導いてくれた。
「…んっ…ここよ…焦らないで…ゆっくり腰を落とすの…ゆっくりよ…」
「はいっ…」 言われたとおり、ゆっくりゆっくり腰を落とす…僕のペニスがやわらかい壁に包まれていく…
「あああぁっ! そうっ! もっと…もっと奥まで…っ!!」
ぬるうっとしたトンネルの中を突き進む…きもちいい…すごく……
「あ…あぁん…さとうくぅん…すごい…」モモコさんが僕の首に腕をまわす。

「はあ…はあ…はあ…せんぱい…きもちいいです…」
「…やぁん…モモコって呼んで……なるべく早く動くの……わかる?」
「はいぃ…モ…モモコさぁん…っ!!」 僕は快感のまま、腰を突き動かした。
くっちゅ…くっちゅ…くっちゅ…くっちゅ…
「んあっ! あはぁっ! はぁあああぁん! もっと突いて! もっとぉ!」
くちゅっ…くちゅっ…くちゅっ…くちゅっ…
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…! モモコさん…モモコさぁん…!!」
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ……

僕は、ついに初めてセックスというものをしている。
普段は、僕よりも大人の世界に住んでいるモモコさんが僕と性器を結合させて、こんなに喜んでいる、こんなに乱れている…。
そして…また…僕に…熱くて、せつないものがこみ上げてくる…
「…モモコ…さん…ぼく…もう……」
「あぁん…あぁ…あはぁ…いいよ…!…出して…出してぇ…!」
「…はぁっはぁっはぁっはぁっ……んぐっ!!…」
どぷっ!! どぷぷぷぷっ!! どぴゅぴゅっ!
「んああああぁっ! やああああっ!! さとうくぅぅぅぅんっ!!」

僕は果てた瞬間…枕もとのデジタル時計を見てしまった…
11時12分……!!!!!!!
「うわあっ!」 絶叫する僕!
「やっ!…ど…どうしたの……??」 モモコさんも余韻から強制的に覚醒させられる。
「す、すみません、先輩! お先に失礼しますっ!!」
慌てて服を拾い集め、どたばたと着始める。
「んもうっ! どうしたのってば!!」
「し…ししゃも!! …じゃなくて…猫!! 猫なんですぅっ!!」
なんとか服を着た僕は部屋のドアに手をかけた。
「…あ、これホテル代ですっ!! すみません! お疲れ様でした!!」
僕は一万円札を床に置いて、部屋から駆け出して行った。

「………」 部屋に残されたモモコさんは目をぱちくりする。
「…なんなのよぉっ!……さとうの……ヘタレぇっ! うわああああん!!」

下北沢駅前のホテル『マリンドライブ』にモモコさんの怒りの泣き叫びが響きわたった。

僕がタクシーから飛び降りて慌しくアパートのドアを開くと、キッチンの床でししゃもがのびきっていた。
「わ―――――――っ! 大丈夫か!? ししゃも!!」 僕は靴も脱がずししゃもに駆け寄った。
「にぃ…にぃ…オナカ……スイタ……」 弱々しく答えるししゃも…僕はありったけの猫缶を開けて並べた。

「ぺちゃぺちゃくちゃくちゃもぐもぐ…v」
「…ふぅ……」 ししゃもも息を吹き返し、やっと僕は落ち着いた…
「…んにゃあ!」突然、ししゃもはいきなり耳をぴんっと立てて僕をにらみつけた。
「ど…どうした?」 「サトウ…シラにゃイヒトノニオイスルにゃ…」 僕はびくっ! と体が硬直した。
「マサカ…サトウ…シシャモホットイテ……」 さ、さすが野生の勘…??
「ダレカト…オイシイモノ…タベテタにゃ―――――っ!」
爪を振り上げししゃもが飛び掛ってきた。

ぼくは…次の日会社を休んだ…

<第3話完>

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