第2話


にーにー…にーにー…
鳴き声が聞こえる…お腹が空くとししゃもはこう鳴くんだ…
にーにー…にーにー…

半年前、僕は入社して初めて仕事で大失敗をしてしまった。
でも上司からは怒られず、会社からの給料面や降格などのペナルティもなかった。
「佐藤君、君はもう会議に出なくていいから」
そのかわり、僕にはもう大事な仕事は回ってこなくなった。
様々な雑用仕事だけが山のように積み上げられていく。 毎日毎晩、終電まで居残った。
いっそ会社を辞めようかと思った。 故郷に帰って実家の鶏農家を継ごうかとも考えた。
そんなある日、その日も残業で遅くなり、雨の中、駅前でおかか行きの最終バスを待っていたとき…。

にーにー…
バス停のゴミ箱から鳴き声が聞こえる。
なにげなく開けてみると、一匹の子猫がゴミやタバコの吸い殻に埋もれて震えながら鳴いていた。
子猫はやせっぽちで、拾い上げると僕の掌をぺろぺろ舐めた。
「にーにー…」 そのか細い鳴き声から、おなかが空いているみたいだった。 
「…まっててな…すぐ来るから…」 まだ最終バスが来るまで30分くらいある。 僕は近くのコンビニまで走った。

「…にゃごにゃごにゃご…」 「はは、おいしいか?」
子猫は猫缶をおいしそうに食べている。 僕は一生懸命生きている子猫を見ていたら、なぜか涙が出てきた。
猫って…いつも寝ていて、悩みなんかなにもないと思っていた。 
でも、こんな小さい子供でも生きるか死ぬかの毎日なんだ… 
生死に関わる猫の悩みに比べたら、僕の悩みなんかちっちゃすぎる…
「んにゃv」 子猫は僕にごちそうのお礼を言うかのように鳴いた。
僕は子猫を抱きかかえ、アパートへ連れて帰った。 バスの運転手さんに見つからないようにして。

にーにー…
「…ん…いててて…」
頭と背中が痛い…どうしちゃったんだろ… あ、変な夢だったな…ししゃもが女の子になっちゃったなんて…

「わあっ!」 目を開けると夢(?)のまんま女の子のししゃもの顔が目の前にあった。
「にーにー…」 僕の頭の脇に両手をついて、潤んだ瞳で見つめている…夢じゃなかった…。
僕はキッチンの床で倒れたまま朝を迎えてしまった。 服も夕べの会社帰りのままだった。
時計は午前7時…今日は土曜日だから会社は休みだ。
「君…ししゃも…なんだろ?」 「にゃぁ」 彼女は鳴いて答えた。
ししゃもは僕から離れると、自分のエサ皿を指でつつきながらにーにー鳴いている。
「あ、お腹空いてるのか…?」 そう言えば僕も牛乳しか飲んでないから空腹だった。
僕は起き上がり、猫缶を皿に入れてあげるとししゃもは皿に口をつけて食べ始めた。

「…なにか着せないと…さすがにやばいよな…」
裸のまま四つん這いでエサを食べさせている光景をもし誰かに見られたら…たぶん変態じゃ済まない…

僕はとりあえずパジャマを着させようとした。
「ししゃも…おいで」 「にゃん」 猫缶を食べ終えたししゃもが僕に駆け寄る。 
「ほら、パジャマを着るんだ…大人しくしてろよ…」 僕は上着から着せようとししゃもの手をとった。
「…にゃにゃにゃ!!」 ばりっ! 「いっ!」 嫌がったししゃもが僕の手を引っ掻いた。
「…ふーっ!」 ししゃもは怒って威嚇する。 猫は服を着せようとすると怒るのが当たり前。 でも今はそんなこと言ってられない!
逃げるししゃもを捕まえてパジャマの袖を通す。 「ふにゃあっ!」 顔を引っ掻かれたが根性で耐えた。
次はボタンだが…油断するとすぐに脱ごうとする。 「こら!動くな!」 僕は後ろから抱きかかえるようにしてボタンを閉じていった。 体が密着して、ししゃもの体温を感じる…
そして胸の上のボタンをはめるときに必然的にししゃもの胸に触れてしまった。
むにゅ 「にゃっ…」 ししゃもがぴくっと反応した。 
僕は…初めて女の子の胸に…や…やわらかぁい…
「にゃああぁ!」 がぶ! 「いたあっ!!」
胸元の手に噛みつき…涙が出てきた…胸の感触の余韻が飛んでいってしまった。
でもなんとか下から半分までボタンは閉じることが出来た。 今度は…下か…さらに過酷だ…

手を離して、一度ししゃもを自由にする。 するとししゃもは僕から離れてパジャマを脱ごうと転げ回った。
「ふーっ! ふにゃーっ!」
「今だっ!」 僕から注意が逸れた瞬間に前からタックルする。 完全にマウントポジションをとった。

「ふにゃにゃにゃにゃにゃっ!」 ししゃもは逃れるように体を裏返しにしたが、すり抜けられない。
パジャマを履かせるために僕は体の向きを入れ替えて後ろを向いた。
ししゃもは足をバタつかせ、毛が逆立ったしっぽを振り回している。 ししゃも相当怒っているな…
「ししゃも…あと…もう少しだから…我慢し………  ごくり…」
僕はパジャマを履かせ始めたが…丸くて形のいいおしりがぷるぷる動いている…思わず見とれて唾を飲み込んでしまった…
「ふにゃっ!」 がすっ! 「はうっ!」
今度は振り回した踵が鼻先にクリティカルヒットした。 目の前が一瞬見えなくなるほど痛かった。

所要時間32分…あちこちミミズ腫れだらけになりながらも、鼻血を出しながらも、なんとかパジャマを着せることができた。 「……疲れた…」 僕はぐったりしていた。
「…ふにゃ…」 さすがにししゃもも疲れたらしく、今はパジャマを脱ぐことを諦めて僕の隣で丸くなっている。

僕はししゃもの背中を撫でながら呟いた。
「…乱暴にしてゴメンよ…でも…人間になったら服を着ないとダメなんだよ…」
「…にゃあぁ…」 理解してくれたのか解らないが、気のない返事が返ってきた。
「…はぁ…ししゃもに嫌われちゃったかな……?」 なんとなくそう言ってみた。
「…ウウン…シシャモ…サトウダイスキ……v」
「はは…ありがと……… えっ!?」
思わず僕は跳ね起きてしまった。
「ししゃもが…喋った!?」 
ししゃもは僕に抱きついてはっきりと言った
「サトウ…ダァイスキvv」

<第二話完> 

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